naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

110年ぶりの新入幕力士優勝濃厚

三月場所は、13日目を終わって、

   1敗 尊富士

   3敗 豊昇龍、大の里

という展開。

 

3敗の両力士は、既に尊富士との対戦を終えており、尊富士がそれ以外の力士に連敗するケース以外に、優勝決定戦に持ち込めるチャンスはない。

いよいよ、110年ぶりの新入幕力士の優勝が現実味を帯びてきた。

 

新入幕力士の優勝と言えば、平成26年九月場所の逸ノ城が、達成すれば100年ぶりと騒がれたのを思い出す。13勝したものの、14勝で優勝した横綱白鵬に敗れた。

昨年七月場所では、伯桜鵬が豊昇龍、北勝富士と優勝争いを演じた。

(続く九月場所の熱海富士も優勝決定戦進出する活躍で一躍注目を集めたが、再入幕だった)

その記憶も新しい中、先場所の大の里も新入幕優勝の声があったが、琴ノ若、豊昇龍、そして琴ノ若との決定戦を制して優勝した照ノ富士に3連敗して、11勝にとどまった。

 

2場所続いての新入幕力士の優勝争いだが、上位力士が皆早々に星を落とし、横綱照ノ富士が休場、大関霧島も極度の不振。その間を縫うようにして、全勝を保つ形で、単独トップに立って走ってきた。

 

逸ノ城、大の里が、立派な体格だったこともあり、手がつけられない勢いを感じさせたのに対して、尊富士は格別の巨体でもなく、両力士のような目立った印象はないままに勝ち続けてきた印象がある。

しかし、よほど力が強いようなのと、非常に堅実な相撲を取っている。特にスピードがすごい。

審判部としては、上位が星を落としていることもあり、全勝で走る尊富士を9日目に早々と三役の阿炎に当てた。ところが、その阿炎を一方的に破ると、ここから先場所の主役、大の里、新大関琴ノ若と、立て続けに下して、全勝を保ち続けた。

これらの相撲を観ると、前記の力の強さとスピード、そして新入幕とは思えぬ落ち着きで、初めて対戦する上位力士と五分に取るどころか、その上を行く相撲ぶりに驚く。おそらく、阿炎も大の里も琴ノ若も、決してまずい相撲を取ったわけではなく、落ち着いて対応しながら、まだまだと思う内にやられてしまった、そんな感じではないだろうか。今日の若元春も同様だった。

大きな琴ノ若をいっぺんにもっていった力の強さ、若元春に左四つに持ち込まれながら体勢を整えさせずに勝負を決めたスピード。

派手さはないが、非凡なものを感じさせる。

優勝すれば、三賞すべてを受賞してもおかしくない内容だ。

(時間いっぱいの塩で、呼出から渡されたタオルを使った後、それを丁寧にたたんで返しているのに気がついた。長年相撲を観てきてこういう動作は初めて見る。落ち着いている証だろうか)

 

14日目の対戦相手は、朝乃山に決まったそうだ。番付で言えば貴景勝だろうが、今日の琴ノ若戦で右腕を傷めた様子もあり、仮に休場で尊富士の不戦勝となっては盛り上がりもポシャる。同じ大関の霧島ももう10敗では止める期待を持てない。

朝乃山はそうした中の人選としては妥当なところだろうが、千秋楽はどうするのか。豪ノ山も4敗となった現時点では、対戦相手に推しにくい。やはり尊富士優勝が濃厚だろう。

 

それにしても大の里は悔しいだろう。先場所、自分も狙って跳ね返された新入幕優勝を次の場所に達成される、それも直接の対戦で勝てなかったのだから。

(それにしても、あの大の里=尊富士戦、物言いがつかなかったのは何故か。リプレイを繰り返し観ても納得がいかない)

 

今場所休場した、部屋の兄弟子、照ノ富士が、序二段への陥落から復活して2回目の幕内優勝を果たした令和2年七月場所の番付が、東17枚目だった。

今場所の尊富士は、それと同じ東17枚目だ。

 

先場所、十両優勝したこともあって、幕内優勝した照ノ富士のパレードの助手席に乗り、この景色をいずれ自分のものとして見てみたいと語ったと伝えられる尊富士が、早くも翌場所それを現実のものにするのだろうか。

(十両優勝の翌場所、幕内優勝した力士は過去にいただろうか)

 

尚、新入幕場所の初日からの連勝記録は11。これまでの記録保持者大鵬に尊富士が64年ぶりに並んだわけだが、大鵬の場合、12日目、小結柏戸に敗れた翌日は勝ったものの、最後の2日は連敗して12勝3敗で場所を終えている。

   ○○○○○○○□○○○●○●●

尊富士も、13日目現在、大鵬と同じ星取での12勝1敗だ。さて、14日目、千秋楽の勝敗はどうなるだろうか。