2004年4月から、厚生労働省の外郭団体に出向した。
職業紹介を主な業務とする財団法人で、在籍した事務所には、60人余りが、私同様に民間の様々な業種の企業から出向してきていた。
従事した仕事は、担当地域の企業をまわって、求人もしくは求職のニーズを集めてくること、またそれらのマッチングをして、就職を成立させることであった。
所属企業では、入社以後、経理、総務、人事など、職種はいくつか換わったものの、一貫してデスクワークばかりだったので、こうした外回りの仕事は新鮮だった。
また、初めての出向で、多くの人たちと知り合う縁ができたことも嬉しかった。
2、3年は勤務するものと思っていたが、社命で今年4月に今の部署に復帰、結果としてはわずか1年の出向生活に終わった。
04年にこの財団法人に新規に出向してきた者たちの、いわば同期会ができ、時々飲み会をやっていた。
その同期会から、忘年会の誘いがあった。
3月末に出向先を離れた後、こうした同期会への誘いをもらって参加したことが一度あるので、今回が二度目である。
26日がその忘年会で、喜んで参加させてもらった。
事務所の近くの店で行われたので、場所がまず懐かしい。
当日は、何人か欠席者はあったが、14人の現役メンバーに、OBである私が加わり、15人での忘年会となった。
数ヶ月ぶりの再会に、お互い近況を報告し、在籍当時のようにうちとけた時間を過ごさせてもらった。
わずか1年で職場を離れてしまったにもかかわらず、こうして誘ってもらえること、また実際参加して、当時のままに接してもらえることが何とも嬉しい。
名残惜しさに、当時同じグループに所属していた者中心に、二次会も。
またこういう機会があればと楽しみだ。
この出向先の皆さんには、もう一つ嬉しい経験をさせてもらったことがある。
私がヴィオラ弾きで、浦安のオケで弾いていることは、出向中に、ちょっとしたきっかけで職場に知られるところとなった。
その際、「演奏会があれば行きますよ」と何人かの方に言ってもらった。
一番近い演奏会の本番は、05年5月の定期演奏会であった。
「ありがとうございます。是非」と返事をしつつも、出向仲間の社交辞令的な話程度に受け取っていた。
しかも、結果として、その本番の時点では、その職場を離れることとなった訳だ。
ところが、職場を離れる際にも、「演奏会の案内は送ってくれ」と重ねて言われたりしたことで、あつかましくもそのようにさせてもらったところ、5月の本番に、現役のメンバーが5人、また、私が面識のない音楽好きのOBにまで声をかけてもらって、OBが2人、実に7人もの方々が来聴して下さった。
一番遠い人などは、宇都宮からはるばる浦安まで。
たった1年で職場を離れてしまった私であるのにと、本当に感激した。
終演後にホールのロビーで顔を合わせてしばらく立ち話をしたのだが、涙が出る思いであった。
皆さんには、来年の定期演奏会についても、ずうずうしくもご案内は差し上げようかと思っている。
短い出向生活だったが、こうして今に残る、多くの人たちとのご縁ができたことは、自分にとって本当に大きな財産であり、幸せなことだと思っている。