naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

紅白歌合戦感想

司会のみのもんたが、オープニングは大物で、と言っていたが、彼の発想なのだろうか。
細川たかし川中美幸を頭にもってきたのは驚いた。
(そういえば、30年以上前、森進一がオープニングに歌って驚かされたことがある)
彼らのプライドが傷ついたところはなかっただろうか。

北山たけしという人の歌は初めて聴いたがよかった。氷川きよしよりうまいんじゃないだろうか。

我が坂本冬美はさすがによかったけれど、やはりもっと後の方で聴きたかったと思う。

ゴスペラーズは、歌そのものよりも、コーラスパートの音量をメインヴォーカルより絞っていたので、バランスがよくなかった。

長山洋子はほんとにうまくなったと思った。

美川憲一と「愛の讃歌」はいい選曲だったと思う。

平原綾香は、私の好みからすると、声と歌い方にクセを感じるが、「明日」はいい曲だし、聴かせた。

CHEMISTRYは、いつもながらすばらしい声だった。

1部の最後を、戦後60年ということで、さだまさし「広島の空」、森山良子「さとうきび畑」で締めたのはいい選曲だったと思う。「広島の空」が、長崎を舞台としていることは、初めて聴く視聴者に伝わっただろうか。

第2部のオープニングの倖田來未
顔や名前は知っていたが、歌は恥ずかしながら初めて聴いた。生き生きとしたヴォーカルだ。とてもうまい。浜崎あゆみに劣らない。

山崎まさよしの歌をじっくり聴くのは初めてのような気がする。歌にも作品にも説得力を感じた。

ポルノグラフィティって、何かわかりやすい音楽だなあと思った。
メロディが耳に入りやすいし、一緒に見ていた母が「言葉がききとりやすい」と言っていた。

石川さゆりは、十八番の「天城越え」だったが、調子が悪かったようだ。
声の非力が目立った。

森進一は、いつもそうだがきっちり歌う。聴かせた。
個人的には五木ひろしよりもずっと好きなので、この人にもっとトリを歌ってもらいたいのだが、久しくその機会がないのが残念。
確かに、五木、北島(三郎)に比べて、何というのか、イメージが暗いとはいえる。
トリとなると、華やかさも必要だから、仕方がないのかな。

久々のアリス。
2曲メドレーは物足りなかった。もう1曲やってほしかった。
しかし矢沢透は何故実業家となった今も昔のままの髪型なのか!
矢沢透で思い出したが、彼はオフコースの初期のアルバムに参加している。皆さんご存知でしたか?

そして、今回の目玉の一つ、ユーミン
私は最近でこそあまり彼女の音楽を聴かなくなったが、学生時代からずっとレコードもライブも聴き続けてきた。
紅白側はずいぶんオファーを続けてきたようだが、やっと今回初出場となった。
個人的には、ユーミンだったら、あまりこだわることなく、もっと前に出てもらいたかった気がしている。
今回は、ピンではなく、この「Smile Again」を集団で上海から歌う、ということで出たのだろうか。
とすると、今回限りでもう出ないかもしれない。

吉田美和はやっぱりすごい!
単に歌がうまいということでなく、説得力がある。
ドリカムが紅組のトリという情報があったが、ガセだったようだ。来年以降に期待したい。

中島美嘉は、トリから2番目のいい場所をもらった。
個人的には、今日出たこの年代の女性ヴォーカリストの中では、この人の歌が一番好きだ。声に清潔感があるし、歌にクセがない。
しかし、曲の余韻にひたる間も与えず、邪魔するように「風雪ながれ旅」のイントロが始まったのにはがっかりした。
せっかくの「雪の華」が、サブちゃんの前奏のように扱われてしまったようで、面白くなかった。

そしてトリだが、天童よしみの「川の流れのように」を聴いて、今の女性演歌歌手では、この人が一番歌がうまいのかなと思った。
個人的には坂本冬美を推したいのだが、好みを別にすれば天童よしみのうまさもまた格別だ。
ただ、この曲だから思ってしまうのだが、その天童よしみをもってしても、本家美空ひばりには遠く及ばないということも痛感させられる。
偉大なるかな、美空ひばり

SMAPには、個人的には、ブレイクし始めた頃の彼らを思い出させてくれた「BANG!BANG!バカンス!」を歌ってほしかった。それこそオープニングあたりで。
今回は、2年ぶりのトリということで、「Triangle」。
この曲は、まあトリに向く。
彼らの歌もよかった。
しかし、天童よしみの堂々たる歌の後にまわると、ちょっと印象としては苦しいところがあった。



みのもんたの司会起用が今回の目玉の一つだったようだが、成功とは言えなかったのではないか。
事前の報道では、彼自身もリハーサルでは民放でのやり方がなかなか出させてもらえず、不満を漏らしていたとか。
本番でも色々不満もあったのではないかと思う。
私が感じたのは、彼が言葉をはさむタイミングが早い、と感じる場面が多かったこと。これは民放のスピード、ないしは、日頃彼が一人で番組を仕切っているテンポと、紅白のそれが食い違ったということではないか、と思う。
そもそも、今回の司会者編成で、彼のポジションが中途半端だったと思う。白組の司会者ではなく、総合司会というのはまずかったんじゃないか。印象とすると、仲間由紀恵が自力でよくやっていたのに対して、山本耕史の方は、何か常にみのもんたのフォローを受けながらやっていたような感じがする。で、一番割りを食ったのは、山根基世アナ。一番出番が少なく、いてもいなくてもという感じだった。



それから、番組の進行で感じたのは、概して曲と曲の間が短いということ。
中でも中島美嘉から北島三郎のつなぎは論外。
これは、余計な演出やアトラクションで時間をとられるからだ。

紅白歌合戦も、視聴率が低下する中であれこれ悩んでいるようだが、一つ言いたいのは、「歌を聴く番組」に徹してみてはどうかということだ。

歌合戦のタイトルがついていることにしばられているようだが、番組冒頭から、司会者が「紅組を倒す」「白組を倒す」みたいなコメントを必ず言い、審査員にも、「紅白どちらが優勢か」みたいな質問をする。
そうした、「紅白の勝負」のコンセプトで番組を構成すること自体やめてしまったらどうか。
視聴者は、歌が聴ければいいのであって、その年にどっちが勝ったかなど、すぐ忘れてしまう。少なくとも私はそうだ。
一方、ある年の誰かの歌がとてもよかった、というのは後々まで覚えているものだ。

そうした、対戦演出部分を除外し、また、お笑い系の芸人を呼んで、間をつなぐようなこともやめて、歌だけ順番に聴かせていく。

曲の前か後に歌手のインタビューを入れ、歌手の思いを聞く。
そして、1曲終わるごとに、少しの間を置いてその余韻を味わう。
ミュージックステーション」や「ミュージックフェア」のような、シンプルな歌番組。
民放でそれができているのだから、視聴率度外視でそういう番組ができるのは、本来NHKの筈だ。



曲順の組み立てについては、今回は失敗だったと思う。

老若の視聴者を番組全体で離したくないからか、「歌謡コンサート」と「ポップジャム」をごちゃまぜにしたような構成だった。
これは却ってマイナスではなかったか。

個人的には、二部構成をとるのであれば、第一部を年輩ファンに喜ばれる演歌、歌謡曲系だけとし、第二部を若者向きのポップスでまとめるのがいいと思う。逆でもいいが、年寄りは早く寝るから。
はっきり内容を分けた、「歌番組」に徹してやってみるのも一法だと思うのだが・・・。