naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

東 直己「酔っ払いは二度ベルを鳴らす」

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読書の指向としてはエッセイが好きだ。
まとまった時間をとって読書をすることがなかなかできない生活、いや性格なので、小説というものを読むことがすっかりなくなってしまった。

エッセイであれば、普通は短い文章の連作なので、こまぎれにでも読めるのが便利だ。
また、筆者の人物像が見え隠れするのも楽しい。

ということで、もっぱらエッセイ。
例えば、椎名誠氏や群ようこ氏の著作でも、エッセイはずいぶん読んだが、彼らの小説は一度も読んだことがない。
欠かさず買って読む(といっても文庫になってから)のは、巨匠東海林さだお氏の作品である。

ところでこの本。
自分で買ってきたものではない。妻が買ってきて置いてあったのを、「酔っ払い・・・」という自分に親しみのあるタイトルにひかれて、ぱらぱらとめくってみたら、たちまちひきこまれてしまった。

大体、東直己という作家の名前自体、不勉強で大変申し訳ないが、この本を手にとるまで知らなかった。

札幌を本拠とする作家らしい。
その彼が、夜な夜なススキノで飲んだくれる中での、あれこれの騒動やら失敗やらのエピソードを書き綴ったものである。

正に抱腹絶倒。
私自身にも覚えがあるような、作者の赤面エピソードなどを、大笑いしながら読んだ。

文庫本1冊、いっぺんに読み切るのが惜しくて、ちびちびと読んできたのだが、ちょうど大晦日にきて読み終わってしまった。
ちょっとさみしい。

他にこの人のエッセイは出ていないかと、ネットで調べてみたが、あまり出てないようだ。
新作を待つしかないのか。
それまでは、この1冊を読み返しながら待とう。