naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

3月場所9日目

武雄山北桜は、互いに持ち味を出し合った攻防となったが、武雄山の突きが勝った。
両者5勝4敗と星は今一つだが、見る側を楽しませる相撲をとってくれている。

旭鷲山は、春日錦の寄りをつま先だってよく残し、逆転の投げ。
これで7勝2敗。「1年を3場所で暮らす」本領発揮というところだ。

高見盛は、過去4戦全敗の十文字相手。その十文字が今場所ここまで白星なしでは、さすがに五分以上の勝負となった。
十文字が張り差しで左四つにはなったものの、そこは今場所の調子の差。左四つながら、つかまえたことで、高見盛が有利な流れで寄った。

栃乃洋は得意の左をこじ入れたが、左からの攻めに出る前に、朝赤龍の右上手投げにやられた。朝赤龍も元気だ。両者6勝3敗。

稀勢の里は、豪風に当たり負けた。いい当たりの豪風に押し込まれ、あっという間に土俵に詰まった。あわてて押し返すところをはたかれて落ちた。
終始後手にまわった相撲で、豪風にいいようにとられた。
豪風の身長の低さがとりにくいようだが、これから上がって行こうという有望株がそんなことでは困る。
もっと踏み込んでガバッとつかまえてしまうような大きな相撲を望みたい。

若の里時天空に敗れて2敗目。
当たって押し込んでいく流れはよかったのだが、最後は時天空の懐の深さにやられた形。
時天空の足は残っていたので、その点では物言いがつく相撲ではないが、時天空若の里の髷をつかんでいたように見えた。この点はどうか?

他に前半戦の相撲で目立ったのは豊桜

露鵬が、勝手にはたいて自滅する格好で安美錦に敗れた。
安美錦は中盤戦4連勝と調子を上げてきた。
しかし、それにしても露鵬の立ち合いはよくない。
手を下ろしかかってから、腰を改めて一段落とし、更にそこから手をすんなりとは下ろさない。
二段、三段という手順を踏んで立つのだが、相手力士としては、これに合わせるのは大変だ。
互いに合わせるのが立ち合いなのだから、露鵬は少し考えるべきだ。
師匠の指導を望みたい。

琴光喜電車道の攻めで普天王を下した。
相撲内容はよかったが、一度で立てなかった立ち合いはよくない。
お互い手をついていながら、何故立てないのか。
その1回目の仕切りについては、琴光喜が割合早めに立つ気を失ったと見えた。
普天王はあくまで立とうと手をついて待っているのだから、合わせようとすべきだ。
琴光喜がよくない。

9回目のカド番同士、千代大海魁皇は、対戦成績で分のいい魁皇が勝てば、白星先行できる大事な一番だったが、千代大海の細かいだけでさほど威力があるとも思えない突っ張りに応戦しながらつかまえきれず、痛い星を落とした。
序盤戦に比べれば、まずまず動きはよくなってきたものの、この負けは大きい。
5勝4敗と4勝5敗では大違いだ。

今日一番注目の琴欧州白鵬は、両者の気迫がぶつかりあう期待通りの熱戦となった。
仕切りを見ていて、琴欧州の蹲踞が、また右膝をかばうようになったのが気になった。
今場所の調子からすれば、当然白鵬有利だが、そうは言っても大関大関。絶対的な力の差がある訳ではない。もちろん白鵬としては調子を下ろせるレベルではない。
琴欧州が展開の主導権を握った。
立ち合いすばやく左上手をとれたのは、先場所以前の好調な時の立ち合いだった。しかも白鵬に上手を与えない。
しかし、悲しいかな、やはり膝の影響だろう、白鵬に上手をさぐらせた。琴欧州ががっぷり四つを嫌うと、白鵬が左まきかえ。ここも、琴欧州が完調であれば、まきかえに乗じて出られただろうが、そこでの厳しい攻めができず、白鵬に下がる余裕を与えた。
最後は白鵬が下半身の柔らかさを見せての左からの投げ。
勝敗は、まあ今場所の両者の状態からは、やむを得ない。
つくづく思ったのは、琴欧州の内容が今場所最高といっていい流れだっただけに、膝が万全な状態でとらせたかったということだ。
ともかく今場所は何とか乗り切ってもらって、治療に専念してほしい。膝のケガはこわい。命取りにならなければと願うばかりだ。

栃東安馬は、楽しみな一番だったが、番付通りの結果。
栃東としては、安馬に入られないように、距離を保ちつつ、さばけるかがポイントと見ていたが、その通りの相撲。今日は上体が上がることなく、かつ相手をよく見ていた。完勝。

結び、朝青龍旭天鵬との対戦。
今場所、どの相手にも先手をとれていない横綱旭天鵬は好調なだけに、ふところの深さを生かせる場面があればと期待したが、やはりそうはいかなかった。
朝青龍は立ち合いもろざしねらい。旭天鵬はひるまず、外四つでも、という構えを見せかかったが、そこからの横綱の動きが俊敏。まわしを切り、頭をつける格好で、切って捨てた。
今日は、今場所の朝青龍の相撲の中では比較的よかったと思う。

これで朝青龍白鵬が全勝を保って併走。
両者の対戦はおそらく11日目となるだろうが、明日は両者星を落とさず、全勝での対戦となってほしいものだ。