naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

レトロなエレベーター~日本橋高島屋

22日(木)、買物があって、日本橋高島屋へ。

正面から入って中央にあるエレベーター、ご存じですか。

針金入りのガラス扉。エレベーターの箱には、金色のパイプをたばねたような内扉がついていて、開く時にじゃらじゃらと音をたてる。
写真がなくてすみません。

このエレベーター、私が子供の頃からこういうのだったと思う。
木更津の田舎から、夏休みとかに両親が東京に連れてきてくれた時、このエレベーターに乗った記憶がある。
当時は、外扉上の回数表示が、時計みたいになっていて、針がまわるタイプのものだったような気がするが、今はさすがに、左右に並んだランプが順に点滅していく、ごく普通のものになった。
ともかく、扉が開く時のじゃらじゃらは、日本橋三越のライオンの像、天女の像とともに、子供の頃の私にとっての「東京」の記憶の代表的なものだ。

昔話はともかく、そのレトロなエレベーターに今日も乗った。

で、思ったのだが、そもそも、「エレベーターガールがまだ乗務している」こと自体も、今の時代、レトロだ。

エレベーターガールというのは、ここ数年で急速に縮小された職種の最たるものではないだろうか。
少し前までは、どんなデパートに行ってもエレベーターガールはいたものだ。
千葉の昔のそごう、今、Bee-oneになっているビルの6基のエレベーター、あの小さくて狭い箱にもいたのだった。

今の日本橋高島屋、全部のエレベーターにいる訳ではないが、一番メインのこのレトロエレベーターには残している。

止まると、彼女たちは一旦箱から下りてきて、「上へまいります、上でございます」と独特の口調にメリハリのある動作で上方を手で指す。
乗り込むと、「ご利用回数をお知らせ下さいませ」「○階までご利用ございませんでしょうか」と聞いてくれる。短い時間に、挨拶や停止階の商品の紹介をよどみなくしてくれる。
途中階で扉が開閉する時は、内扉の幅いっぱいに腕をひろげて、じゃらじゃらの内扉に合わせて動かす。

独特の口調とおおげさな動作が何ともいえない。
「デパートにきた」という実感を与えてもくれる。今はデパートでも客が自分でボタンを押すことが多いが、何かつまらないというか、風情がないよなあ。

そう言えば、山田邦子がデビューの時、バスガイドネタとあわせて、エレベーターガールネタもやっていたと思うが、これからの時代は、そんなのも通用しなくなっていくんだろうな(何か最近、消えゆくものネタが多いな、このブログ)。

ところで、私は昔から、エレベーターガールのいるエレベーターに乗った時に、ある衝動を感じる。
途中階で止まって、彼女が一旦箱を下りて、「上へまいります」と言った瞬間、後ろから彼女をドン!と突き飛ばして、すかさず扉を閉めてしまい、彼女を置き去りにしたまま上に上がる、というものだ。

今日もやりたかったがやらなかった。
しかし、これって、仮にやったら何の犯罪になるんだろうか。