naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

「昔はなかったもの」~キャッシュカード+銀行にちょっと文句

「よくそんな状況でやってたもんだ」と言えば、銀行のキャッシュカードもそうだ。

これも今の利便性に慣れた感覚からすると信じられないことがたくさんある。

思ってみれば、キャッシュカードができる前って、通帳とハンコを持って銀行に行って、金をおろしてたんですよね。
よくそれでやってたもんだ。

私は、高校を卒業するまでは実家にいたので、銀行で金を下ろす、ということはなかった。
大学に入って、仕送り送金用の口座を親が作ってくれて、キャッシュカードを持たせてくれた。
国立駅前に今でもある多摩信用金庫だった。
初めてキャッシュカードで金をおろした時、現金が出てきたのを見てすごく感激したものだ。

その後、就職して、給与振込口座を作り、キャッシュカードを持った。

利便性という点では、まず引き出し可能時間帯の拡大。
昔は、銀行の店舗営業と同じく15時で終わりだったと思う。18時に延長された時はずいぶん嬉しかった。
休日の引き出しもできなかったんじゃなかったかな。

それから何といっても、これも今では考えられないことだが、例えば三井銀行のキャッシュカードは三井銀行のATM以外は受け付けてくれなかった。

「オンライン提携」と称して、当時でいう都市銀行同士なら、他行のカードでも下ろせるということになったのは、たぶん80年代に入ってからだったと思う。
北浦和の独身寮に住んでいた頃、私は三井銀行のカードを使っていたのだが、平日に会社の近くでこづかいを下ろすのを忘れて、土曜日に金がなくて困った場合、北浦和駅近辺には三井銀行がないので、わざわざ電車に乗って、大宮あたりまで行ったりしていた。
それが、オンライン提携が始まり、同様のケースで、北浦和駅東口そばにある富士銀行に行って金が引き出せた時には、便利になったもんだなあ、と感激したのを覚えている。

今では、ATMはコンビニにひろがり、ほとんどの金融機関同士が提携しているから、いつでもどこでも金を引き出せる(残高があればだが(爆))。
それが当たり前だが、こうして昔をふりかえると、今の利便性は段階を踏んで実現してきたことを改めて思う。

ところで。キャッシュカードの話のついでに。
銀行に勤務している友人や先輩も多いので、以前から書こうかと思っても遠慮していたのだが、この際書いちゃえ。

ATMの手数料のことだ。

金を下ろす時、時間帯によって、105円とか210円とか手数料をとられる。
あれって、ほんとにバカにならないですよね。
通常の買物で、105円とか210円とかというのは、気になる水準では全然ない。
しかし、このATMの手数料がとても高く感じられるのは、やはり預金につく利息がそれに比べて文字通りケタ違いに低いからだ。
例えば、今、三井住友銀行では、普通預金利息が0.2%。100万円を1年間預けて、2,000円しかつかない。
しかし、5,000円、10,000円下ろしてそのたび105円(例えば三井住友銀行のATMで8:45以前、18:00以降、土日祝日に引き出す場合)とられるのは、やはりあこぎな商売、という印象が拭えない。

振込も手数料がかかる。以前びっくりしたのは、その銀行、しかもその店舗(同行別店舗でなくて、今いるその店舗)に口座を持つ相手にATMで振り込もうとしたのに手数料がかかることだ。

利用者の立場からすると、「手数料」っていうけど、引き出しにせよ、振込にせよ、ATMを使って行うというのは、窓口のテラーの人に「お手数をかけず」(笑)、お客自ら機械でやってあげよう、ということではないのか?
振込なんか大変ですよね。いくつもいくつも文字を打ち込んで、ちょっと操作が違ってると機械に怒られてね。
そんなことまでしているんだから、むしろ手数料をもらいたい(爆)くらいなんだが、日本人って、従順なのね。

ともかく、銀行全体の経営のことはわからないが、普通預金口座を持つ個人客の立場だけで言わせてもらうなら、銀行にとっての資金調達コストである預金金利が例えば0.2%で、一方でその預金口座から金を引き出す、振込をする(こだわるようだが顧客が自ら機械で)のに、手数料を課して収入としている、という収支構造というのは、どうなのよ、とやっぱり思ってしまう。

あれ、結局、ついでの文句が半分くらいになっちゃった。すみません。