naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

落合監督という人~中日53年ぶりの日本シリーズ制覇

2連続のカードとなった日本ハムと中日の日本シリーズ

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という、5戦決着で、中日が53年ぶりにシリーズを制した。
昨年も、同じ星取で日本ハムが勝ったが、今年は正反対の勝敗。こういうのも珍しい。
(その前年は、ロッテが4連勝のスイープで阪神を下したから、これで3年連続、土日までもつれない決着。それがちょっと物足りない)

これで、中日は「日本一」って言うらしいけど、リーグ優勝は、ジャイアンツなんだよ。
何か抵抗あるなー。

まあ、それはさておき、今日の第5戦は、稀にみる展開。
山井、ダルビッシュの好投で、1-0の勝負となったが、とにかくびっくりしたのは、8回までパーフェクトピッチングだった山井を9回に交代させた落合監督の采配だった。

日本シリーズ史上、おそらく完全試合は初めてのこと(ノーヒットノーランもかな)だろう。
公式戦での完全試合自体も、あの94年の巨人の槙原以来出ていない。

ここは、山井に最後まで行かせて、完全試合のおまけつきで、53年ぶりのシリーズ制覇を決めるのかと思ったら、さにあらず。
テレビの中継アナもずいぶんびっくりしていた。

しかし、考えてみると、落合監督ならではの考え方なのだろう、と納得した。
完全試合という付加価値よりは、今日の試合を確実に勝ちに行くためには、不動の抑えのエース、岩瀬にゆだねるのが、最も間違いない、という考えだったのだろう。
完全試合のムードに踊らされず、あくまで「いつものパターン」を貫いた采配は、なかなかできるものではないと思う。

岩瀬が完璧に締めて、リレーでの完全試合でシリーズ制覇(うー、どうしても日本一とは書きたくない)。
これも、十二分に価値があることだったと思う。

山井にとっては非情な采配、との見方もあるだろうが、落合監督という人は、決して非情な人ではない。
かつて、川崎憲次郎投手を開幕投手に指名して、世間をあっと言わせたこともあるし、第一、今回のシリーズのMVPに輝いた中村紀洋選手の獲得(テスト入団から育成選手枠で)がそうだ。
岩瀬で締めたこと、中村選手のMVPは、本当に劇的なストーリーだと思う。

おそらく、この交代を、山井投手が理解してくれるという確信が、落合監督にはあったのだろう。

落合博満という人は、現役時代、年俸交渉が難航した時に調停制度を利用したり、2,000本安打を記録した際に名球会入りを拒否したり、何かと意外性のある行動をとってきた。
しかし、私は、落合のそのような行動には、そういうやり方もあるのか、そういう考え方もあるのかと、どこか納得させられるものを感じることが多かった。
今回、クライマックスシリーズ第2ステージを制した際、胴上げもビールかけもやらなかった、というのもそうだった。

現役時代は、どこか一匹狼という感じのイメージがあり、監督はもとより、コーチにも向かないように思っていたが、就任して4年間で、日本シリーズ3回出場の実績を見ると、やはり監督としても秀でたものがあるようだ。
来年は、リーグ優勝を果たした上での日本シリーズ出場をめざすのだろうが、我がジャイアンツも今度こそは日本シリーズに出て、正真正銘の日本一になりたいものだ。
来年のペナントレースが楽しみだ。

ところで、一方の日本ハムについては、何と言ってもダルビッシュ。残念だった。
第1戦は、シリーズ最多記録の13奪三振
今日も、7回を投げて11奪三振。試合展開が違っていれば当然完投ペースだったから、14個以上もねらえた好投だった。
とにかく、わずか1失点。0-1の敗戦は、山井と本当に紙一重
どこかがちょっと違っていれば、「さすがダルビッシュ、2勝目!」で、札幌に戻っての第6戦に持ち込めていたところなのだから・・・(もし7戦まで戦って日本ハムが勝ったなら、MVPの最有力候補になったはず)。

悔しいだろうが、このポストシーズンゲームを通じて、総合的には山井よりも立派な働きだったことは間違いない。日本シリーズの敢闘賞に胸を張ってもらいたい。
来シーズンの一層の活躍、それ以前に、オリンピックに向けての日本代表チームでの活躍を期待したい。

あー、これでアメリカも日本も、プロ野球、今年は終わっちゃったなあ。