５月場所中日

それにしても、白露山を担当している床山さんは誰だか知らないが、本当に人間国宝ものだと思う。

今日の普天王は珍しく速い攻めで豪栄道を一方的に破った。こういう相撲が毎日とれたら大関ものなのだが。

豊ノ島が今日もいい流れ。この人は本当に独特の個性がある。７勝１敗。

ＮＨＫのテレビ放送で知ったが、栃煌山は右肩を傷めているとのこと。どこか悪いのではないかと思っていたが、そういうことか。白星なしの向こう給金。

今日の鶴竜はよかった。今場所初めてのいい相撲。もろざしからの密着の仕方が鶴竜ならではのものだった。

安馬と若ノ鵬の一番は、値打ちのある相撲。
若ノ鵬が右四つにがっちりつかまえて上手を引きつけて寄った。若ノ鵬にはこういう相撲をとってもらいたい、という相撲だった。
しかし、さすがに安馬もしぶとく、土俵際で鮮やかにうっちゃった。
久々にうっちゃりの相撲を見た、と思ったが、リプレイをよくよく見ると、うっちゃりというよりは足のはねあげも併用した、やぐら投げ気味の上手投げというのが正しいようだ。
つって腹に乗せるようにするのが正しいうっちゃりだとすれば、この一番での安馬の逆転技は、やはりそれとは違う。
たぶん安馬本人もうっちゃりにいったという気はないのではないか。
若ノ鵬が土俵を下りての花道でひどく悔しそうにしていたが、これはうっちゃりという技も知らず、予想していなかった逆転を食ったからだろう。

琴奨菊は、右四つから一方的ながぶり。
琴奨菊の流れもよかったが、それより把瑠都の甘さがふがいない。

千代大海がやはり突けない。今場所ここまで白星のない黒海に突き負けて、初白星を献上するとは深刻だ。

琴光喜は右四つ万全の相撲。こういう相撲が毎日とれないのが相撲の難しさであり、この力士の限界か。

琴欧洲は、今場所は左四つでもこだわらずにとっているが、今日の魁皇戦も、敢えて相手充分の左四つでの相撲となった。
立ち合いすぐに右上手をがっちりとり、左下手も引きつけての寄りで、魁皇に何もさせなかった。もとより最近の魁皇は下がると弱い。
琴欧洲は、両まわしの引きつけ、身体の密着のさせ方、腰の構え、すべて言うことなしの相撲。
これで無傷の勝ち越し。
カド番は脱したところで、明日から相撲が変わってしまうかどうか。
それは、本人の見据えるものが、勝ち越しなのかそれよりも高い志なのか、による。

朝青龍が立ち合い珍しく自分から嫌った。
立ち上がってからは無難。調子が上がってきた。

白鵬は、稀勢の里相手に左四つになり、上手もとれず、決していい格好ではなかったが、稀勢の里にも上手は与えない体勢から、先に動いて勝機をつかんだ。全体的に見ると、立ち合いから先手をとって攻め込んでいたのは白鵬の方。余裕のある相撲だった。

全勝　白鵬、琴欧洲
１敗　朝青龍、豊ノ島

両横綱の内容が接近してきた。
朝青龍は、こわいほどの強さが前面に出ているとは言えないが、基本的な地力の差を踏まえて、確実に白星を重ねてきているという感じだ。

動きのない優勝争い、もう１日か２日見ないとわからない。