naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

若書きアーカイブ~大学オケ時代にOB会会報に書いた活動報告①(1977年、21歳)

久々の「若書きアーカイブ」です。

今回は、学生時代に、「楽苑」(がくえん)という冊子に書いた文章。

「楽苑」とは、如水会(じょすいかい)音楽同好会が、年1回発行していた会報だ。

如水会音楽同好会は、一橋大学管弦楽団一橋大学コール・メルクール(男声合唱団)のOB組織。

2000年に、オケと合唱団が別となり、オケの方は、一橋大学管弦楽団楽友会として活動している。年1回発行される会報は「一響(いっきょう)」という。

今、手元にある「楽苑」第21号は、58ページあり、奥付を見ると、昭和52年3月10日発行とされている。

私はもうすぐ4年生になろうという時だ。

この会報は、「同好会の部」と「学生の部」に分かれている。

「同好会の部」は、OBの寄稿からなり、「一橋音楽史の一齣」、「一橋オケ創世記」、そして、OBが近況を寄せる「風のたより」などが掲載されている。

「学生の部」には、各団体の現役の委員長の挨拶や、活動報告などが載っている。

私の在学中、団の運営を担う「マネージ」は、3年生が務めていた。

この第21号が発行された時は、私も3年生。マネージの一員として、印刷広告(演奏会プログラムの企画制作や、そこに載せる広告とりなど)を担当していた。

そして、この第21号に載った「オーケストラ活動報告」は、私が執筆したのだった。

久しぶりに読んでみたが、当時の母校オケの活動ぶり、雰囲気が懐かしく思い出された。

若書きアーカイブの一環として、ここに転載する。

当時のオケ仲間に読んでもらえたら嬉しいが。

オーケストラ活動報告


(1)第23回定期演奏会まで

1976.2.27   卒業生追い出しコンパ(於、荻窪 松寿司)

   3.24~27 春合宿(於、武蔵境 青年の家)
          2年連続の青年の家使用。ここは施設面、経費面共、申し分ない
          所ではあったが、我がオケの如き酒飲みクラブに唯一の難点は禁
          酒の規定。当然の様に行われた隠れての連夜の酒宴が当局にばれ、
          今後使用は一切まかりならぬと申し渡されるに至った。

   4.12   入学式(兼松講堂)
          恒例の奏楽では定期のアンコールピースである、エルガーの「威風
          堂々」を威風堂々と演奏。式後勧誘。

   4.16   新入生オリエンテーション クラブ紹介
          今年度はクラブ毎に部屋が割りあてられるという新形式。多くの
          新入生を集め、コレルリ「クリスマス協奏曲」他を披露。

   4.28   第23回定期演奏会(於、立川市民会館)
          指揮 David Howell 氏
          トランペット 坂井俊博氏
          エルガー 演奏会用序曲「コケイン」
          ディーリアス 歌劇「村のロメオとジュリエット」より
                 間奏曲「楽園への道」
          ハイドン トランペット協奏曲変ホ長調
          フランク 交響曲ニ短調
          エルガー 行進曲「威風堂々」第1番(アンコール)
          前年度マネージ最後の大仕事である。当初、20日杉並公会堂との
          予定だったが、折からの国鉄ストにぶつかってしまった。顔色を
          変えたマネージが代りの会場さがしに奔走し、立川を決定、杉並
          キャンセルという形で収拾がついた。本番近くなっての会場変更
          は、それ自体困難なだけでなくコンサート運営上の混乱の怖れも
          あるが、結果的には客入りもよく、この段階におけるマネージの
          対処は英断だったと思われる。
           さて、曲目は従来と路線を大きく変え、Howell氏のお国ものの
          イギリス作品(おそらく学生初演であろう)が目玉商品。
           ハイドンソリストは芸大3年の俊英 坂井氏を招き、練習や
          合宿の際も親しく指導を得たが、この曲は彼の十八番であった。
           レセプションは立川北口のレストラン・ダンケ。又、二次会は、
          日頃練習後に行きつけの国立駅前の飲み屋、三好屋を借りきって
          という冗談半分の話が本当となり、明け方近くまで、OB諸氏や
          フィオリータ嬢も入り乱れての乱痴気騒ぎが続いた。このコンサ
          ートを最後にマネージは現3年にひき継がれた。

(2)第4回サマーコンサートまで

  4.30   新入生歓迎コンパ(於、部室)
          コンサートの為、例年より遅い開催。雨のせいか新入生の出足も
          鈍かったが、女性が多かったのが今年の特色。あとスペインへ。

  5.16   第3回プロムナード・コンサート(於、兼松講堂)
          部員有志の参加で室内楽、小アンサンブルを披露し合い、又録音
          もするこの部内コンサートももう定着した。小アンサンブルの楽
          しみへの希求はあいかわらず高く、「参加する事に意義」とばかり、
          今回もTrbトリオから急造小オケのモーツァルト40番まで盛り沢山
          のプログラムであった。

  5.30   津田塾大学弦楽合奏団アンサンブル・フィオリータ(以下フィオリータと
       略記)と合同ハイキング(御岳山)
          雨で1回中止順延となって、この日も又曇り空だったが、折角集
          まったのだからと出発を強行したのが仇となり、途中雨に降られ
          て、復路の下り坂ではすべってころんで全員泥だらけの惨々。疲
          労も手伝って、誰も二次会へ行く気がないまま散会。新入生歓迎
          の趣旨に反してその参加がわずか2人であったのが残念。

  6.5   フィオリータと合同コンパ(於、部室)
          有志の室内楽演奏を肴に、今回も盛会だった。恒例の1年生の合
          同初合奏は、可愛らしくも初々しく「おもちゃのシンフォニー」。
          満場の微笑を誘ったものだった。又、ティンパニにHowell氏を据
          えての2年生のモーツァルト「ジュピター」も圧巻。例によってス
          ペインへ。

  7.9   第4回サマー・コンサート(於、立川市民会館)
          指揮 David Howell 氏
          スッペ 「軽騎兵」序曲
          J.シュトラウス 円舞曲「春の声」
          J.シュトラウス 喜歌劇「こうもり」序曲
          ハウエル編 日本民謡組曲第1番
          ハウエル ハウエルフォンと管弦楽のための協奏曲第2番
          バーンスタイン ミュージカル「ウエストサイド物語」抜粋
          ガーシュイン ラプソディインブルー
          ゴールド Exodus(栄光への脱出) (アンコール)
          2年ぶりのサマ・コンだが、ライトクラシックから民謡、ミュー
          ジカルまでの多彩なプログラムは今回も同様。中でもハイライト
          はやはりHowell氏の作品。民謡は旧作に属し、「安木節」他の5曲
          から成るが、とりわけウィンナワルツのパロディが登場する「通り
          ゃんせ」は受けた。又、Howellphoneというのは、一昨年のサマコ
          ンで既におなじみの楽器。酒瓶、ビール瓶を並べてつるして、中
          に水を量を加減して入れて音階をつくり、それを叩くという、酒
          豪Howell氏ならではの珍妙にして愉快な発明である。一昨年の大
          好評に気を良くされての書き下し新作は、3楽章編成で現代音楽
          風のシリアスな大作であった。アンコールは、ポピュラー曲の編
          曲に力を入れておられる院生の成嶋氏の作品から。
          Howellphone、ガーシュインの両ソリストや、クラリネットのスタ
          ンドプレイなど、数々のスターを生んだサマコンも大喝采の内に
          終り、レセプションは4月同様ダンケ。そしてスペインへ。