１月場所９日目

雅山が玉鷲に勝って、今場所の初白星。
幕尻の今場所、昨日８連敗で負け越しが決まったことで、あるいは引退するのではないかと思ったのだが、今日も土俵に上がり、嬉しい１勝。
土俵下で次の力士に水をつけるあたりで、既に表情に感極まったものが見えたが、花道を引き揚げる時には、泣いていた。
かつては大関を務め、白星をほしいままにした時期もある力士が、たった１つの勝ち星に泣くのを見て、気持ちが伝わってきた。

千代大龍を破って１敗を保った宝富士。
テレビの実況で、アナウンサーや解説者が話すのを聞いていると、どうしても｢たからくじ｣と聞こえてしまう。

碧山が、富士東の髷をつかんだとして反則負け。
２日前に、舛ノ山が玉鷲との対戦で反則負けになった。あれは、見ていて反則をとられてもやむを得ないかな、という感じだったが、今日の碧山は気の毒に思われた。
勝負の流れとしては、右からの肩すかしが相当効いている。左のはたきはその後だ。
左手の指が髷に入ったのは事実だが、髷に手が入らなくても、あれだけ頭を押さえれば落ちたはずだ。

６番後、妙義龍が松鳳山をはたきこんだが、この時の妙義龍の手は問題なかったのだろうか。ほとんど碧山と同じに見えたが。

両横綱は万全。

豪栄道をはたきこんで一人全勝を守った日馬富士は、内容もいい。立ち会い、常に突きで先手をとることができている。

白鵬は厳しい相撲。このところ調子が上向いてきた感じだった把瑠都は何もできなかった。
白鵬は立ち会いに左前まわしをとる相撲が続いて、安定感が増してきた。

宝富士がどこまで追走できるか、という興味はあるが、実質的には両横綱のマッチレース。このまま千秋楽まで両者星を落とさずにいけるかどうかは、まだわからない。
白鵬としては、星２つの差になってしまってはいけない。自力で並べる１差は何としてもキープしたいところだ。

優勝争いの中で、大関陣に期待はほとんど持てないが、２敗してから５連勝の稀勢の里がどういう働きをするか。