「魔笛」序曲には、個人的にはちょっとした縁がある。
入部後、最初の演奏会は、7月のサマーコンサート。ヴィオラはまだ始めたばかりだったので、打楽器とキーボードでの出演。
そんな偶然の縁がある曲だ。
実家帰省中、これらの曲をよちよちとさらった。
先輩の団員にレッスンを受け始めて間もない私は、まだ、音階がやっと弾ける程度。もちろん、ヴィブラートやポジション移動どころではない。
ボウイングについては、┌┐の記号がダウン、∨の記号がアップ、くらいのことしか知らず、実際に曲を演奏するにあたっての運用などは、全然わからなかった。
で。
序奏が終わってアレグロに入ったところ。ピンクの部分。
これを私はこういうふうに弾くものだと思って練習していた。
┌┐から始めて、弓順に┌┐∨┌┐∨と弓を動かす。
ピアノは弾けたので、スラーはわかる。
つまり、アーティキュレーション通り、弓順に弾いていくと、2小節目の頭が∨になる。
1小節目と同じパターンの楽譜なのに、2小節目はまったく逆のボウイングになってしまうことに違和感があった。3小節目からは┌┐∨┌┐∨の繰り返しで違和感はなくなるが。
これを私はこういうふうに弾くものだと思って練習していた。
┌┐から始めて、弓順に┌┐∨┌┐∨と弓を動かす。
ピアノは弾けたので、スラーはわかる。
つまり、アーティキュレーション通り、弓順に弾いていくと、2小節目の頭が∨になる。
1小節目と同じパターンの楽譜なのに、2小節目はまったく逆のボウイングになってしまうことに違和感があった。3小節目からは┌┐∨┌┐∨の繰り返しで違和感はなくなるが。
それが、何だかイヤだなあ、という感じだった。
やがて夏休みが終わり、オケの練習が再開された。
私は、このことについて、さっそくパートの先輩に聞いてみた。
そしたら、即座に返ってきた答えが、「2小節目の最初の2つは∨∨で弾くんだよ」だった。
あー、そうなんだ。┌┐∨┌┐∨┌┐∨って、とことん交互に弾いていかなきゃいけないわけじゃないんだ!
そうやって調整するのか。なるほど~。
夏休みの間、悩んでいた、とまでは言わないにせよ、自分では答えが出せなかった問題が、あっけなく解決してしまった。
この件での「鱗の落ち方」は、私にとって尋常ではなく、いまだに鮮烈におぼえている。
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