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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

一期一会~サン=サーンス「アルジェリア」組曲

けさ、通勤時にウォークマンで、サン=サーンスの「アルジェリア組曲を聴いた。

 

ヴァーレク指揮、プラハ放送響の演奏で、3番のシンフォニーの余白に入っている。

 

サン=サーンス管弦楽曲というと、まずは「動物の謝肉祭」、「死の舞踏」、「オンファールの糸車」あたりが有名だが、この「アルジェリア組曲は、ほとんど知られていないだろう。

 

LP時代から今に至るまで、録音はほとんどないと思う。このヴァーレク盤は貴重な1枚だ。
スコアも売っているのを見たことがないし、演奏会にとりあげられることもまずない。

 

でも、いい曲だ。

 

何故知っているか。

 

実は、この曲、私のヴィオラデビュー曲なのだ。

 

大学に入ってヴィオラを始めて、最初の本番が、秋の定期演奏会だった。

 

その演奏会のプログラムが、「魔笛」序曲、「アルジェリア組曲、シベ2だった。

 

本番では、「魔笛」が降り番で、他の2曲に乗った。

 

だから、中プロだった「アルジェリア組曲が、ヴィオラ弾きとしてのデビュー曲。
(ヴィオラを弾き始めて、最初に乗った本番がこの曲、という人間は、人類の歴史上、世界的に見ても、何人もいないんじゃあるまいか(笑))

 

それにしても、有名でも何でもない、この曲がどうしてプログラムに乗ったんだろうか。

 

4曲からなる組曲だが、第3曲の冒頭に、ヴィオラのソロがある。
このメロディに、団員の誰かが歌詞をつけて、合宿の宴会の時などにみんなで歌ったものだった。「相模湖エレジー」というタイトルだったかな。

 

この演奏会、シベ2の後のアンコール曲を用意しておらず、第4曲の「フランス軍隊行進曲」を急遽演奏したと記憶する。

 

先日、ユニ響(津田沼ユニバーサル交響楽団)にお邪魔した時にだけ弾いた曲について書いた。

 

  ※その過去記事 「ユニ響でだけ弾いた曲」
      https://naokichivla.hatenablog.com/entry/62593923

 

ボロディンの2番などは、それ以前の鑑賞歴がほとんどなかったこともあり、聴けばユニ響を思い出す曲の筆頭になっている。

 

同様に、この「アルジェリア組曲も、その後演奏する機会はまったくなく、前記の通り、音源もほとんどなければ、生の演奏会でとりあげられることもないのだから、私にとっては、大学オケの回想なしに聴くことは不可能な音楽だ。

 

さらに言えば、大学1年生のあの時に出会っていなかったら、たぶん、40年近く経つ今も、この曲を知らないままだった可能性が高い。

 

まさに一期一会、あれが千載一遇の出会いだったと言える。

 

それはそうと、もっと有名になり、聴かれてほしい佳曲なのだが、残念だ。