22日(金)~23日(土)と静岡へ出張。
用務は23日で、22日はその前泊だった。
用務先は伊豆市。初めて行くところだ。
事前にネットで調べたところ、三島で乗り換えて修善寺へ行く方法と、熱海で乗り換えて宇佐美という駅へ行く方法があるようだった。
用務先までは、どちらから行くにしてもタクシー。
であれば、東京から見て遠い三島から下って行くよりは、熱海で乗り換えようか、と考え、宇佐美駅周辺のホテルを予約した。
22日、陽が傾き始める中、会社を出て東京駅へ。
三島であれ熱海であれ、新幹線はこだまに乗る必要がある。
こだまには日頃めったに乗らない。ひかりにだって乗らなくなったもんなあ。
東京駅を出て約50分。熱海駅に着いた。
伊東線に乗り換えて宇佐美へ。各駅停車で20分ほど。
20時前に宇佐美駅に着いた。
この駅で下りるのは初めてだが、無人駅だ。自動改札もなく、Suicaをタッチする端末と、切符の回収箱がある。
改札を出てみると、何か暗くてさみしい。
駅前正面に商店街があるが、既に閉店時刻を過ぎているのか、ほとんどの店のシャッターが降りていて、暗くなっている。
駅前のタクシー乗り場にはタクシーがいない。
さてどうしたものかと思ったが、その商店街を少し歩いてみると、タクシー会社があって、車が2台停まっていたので、そこから乗ることにする。
ホテルの名前を告げて、出発。
途中から暗い山道を登って行くような感じになった。
ネットで見ていた通り、10分足らずでホテルに到着。
なかなかきれいな建物だが、車を降りると、山の中にぽつんとある感じで、少なくとも周辺は何もない暗闇だ。
とりあえずチェックイン。
部屋は、ツインルームのシングルユースで、広くて立派だ。
おお、こういう部屋だったら誰か女性を連れてくればよかった、などとありえぬことを考えつつ荷物を置いたが、そんなことよりも、問題は夕食・・・。
館内のレストランの夕食は予約制で、もともと何時に入れるか不明だったので、当然予約はしていない。
チェックインしたら、外に出てどこかで食べるか、と漠然と思っていたのだが、タクシーでホテルに向かう道々、これはヤバいぞ、と感じたのだった。
食べる店はおろか、コンビニさえなさそうな環境。
こんなことなら、熱海駅あたりで駅弁でも買ってくるんだったと思ったが、この状況はちょっと予想できなかった。
何か買えないかと見てみたが、結局、フロント前にカップ麺が3種類置かれているだけだった。
さて、どうしたものか。
もちろん、このカップ麺を買って、部屋でお湯を沸かして食べれば、ひもじい思いをして寝ることにはならない。
自分の決断一つだ。
しかし、せっかく出張で静岡まで来てカップ麺かあ、という、何と言いますか、やるせない感じが、どうしてもある。
フロントの人に、「すみません、この近くに食事ができるような店か、コンビニとかは・・・」と尋ねると、はて、と当惑したような顔。
少なくとも、歩いて行けるところにはないということがわかったので、タクシーを呼んでもらうことにした。
待つこと5分ほどで、迎えのタクシーが来たので乗り込み、「どっち方向へ行ってもらってもいいんですが、どこか食事のできる店ってありませんかね」と尋ねた。
運転手さんも、はて、と当惑した感じで、「宇佐美ってところは、食事をするような店がないんですよねえ。この時間にやってる店って言っても・・・」。
地元通であるはずのタクシーの運転手もあてがないのか? どうする?
と、「飲み屋みたいなのでよければ、ありますけどね」。
いいんです、いいんです、飲み屋で。あ、食事って言ったのが悪かったのね。
ということで、ではそこまで連れて行って下さい、と出発。
「結々」という店に到着。
これも、周辺に色々店があるわけでなく、街道沿いにぽつんとある形だった。
おそるおそる入ってみると、左手に小上がり、右手にカウンター。
カウンターに先客が1人いるだけだった。
カウンターに座る。
先客は、地元の人らしかった。カウンターの中の店主とは親しいようで、あれこれしゃべっている。
店主は、見かけぬ顔に気を遣ってくれたのか、出張ですか、などと時々話しかけてきた。
鳥の唐揚が美味しかった。
これは、ピザかチヂミか焼きそばか、などと迷った末に注文した、とん平焼き。
1時間ほど滞在の後、タクシーを呼んでもらって、ホテルに戻った。
もらって来た箸袋に住所が書いてあったので、帰宅後調べてみたら、この店は、宇佐美駅にかなり近いところにある。
結局、宇佐美駅とホテルをほぼ2往復した、初めての宇佐美の夜だった。