naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

春風亭小朝独演会

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28日(木)、日生劇場で行われた「春風亭小朝独演会」に行ってきた。

昔、「学生時代は落研にいたんですか」とよく聞かれたが、そんなことはない。舞台は音楽だけだ。
とは言え、落語ができたらいいな、とはしばしば思う。しかし、ビッグコミックオリジナル連載の「どうらく息子」(尾瀬あきら)など読んでいると、難しく厳しい世界だと感じる。

それはともかく、日常生活で落語を生で聴く機会はあまりない。
数年前に、中央会館で行われた「大銀座落語会」というのに行ったことがある。
その時に、アンケートを書いて出したら、それ以後、年に2回か3回、公演の案内ハガキが届くようになった。

今回の小朝師匠の独演会も、そうした案内ハガキで知った。
妻が是非行ってみたいと言い、チケットを買い求めた。

たまたま午後は仕事で外出していたので、用務先から直接日生劇場へ向かい、妻と待ち合わせた。

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日生劇場に来るのはいつ以来だろう。大昔、まだ独身の頃に、ここでオペラを観た記憶がある。確か、「ヘンゼルとグレーテル」だったと思う。

入場してロビーを歩いていたら、高橋英樹氏が立っていた。テレビで観るよりも大柄な印象。
妻が歩み寄って握手をしてもらった。

コンパクトな劇場だ。落語の席にはいいかもしれない。
我々の席は、1階M列17番・18番。

場内は撮影禁止。こちらは、ロビーに飾ってあった、舞台から見た客席の写真。

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こちらがプログラム。

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まず、幕開けは、林家ひろ木という落語家が出てきた。林家木久扇師匠の弟子だそうだ。
落語の他、津軽三味線を演奏した。

そして、小朝師匠が登場。

まず、「はてなの茶碗」という噺。プログラムにあるが、元来上方の噺とされていたものを、江戸の落語として演じた。
噺の後、舞台から下がらずにアタッカで、次の噺へ。「船徳」であった。

ここで20分の休憩。

後半は、まずナイツの漫才。この2人は、地味なスーツ姿だし、一発芸などで耳目を集めるのではなく、話そのもので勝負するところに好感が持てる。
大いに笑った。

続いて、ゲストの笑福亭鶴瓶師匠。
高校時代の青木先生という教師を題材にした、オリジナルの落語だった。
当夜、爆笑度合いでは、ナイツと鶴瓶師匠が双璧だったと思う。

最後に、小朝師匠の「柳田格之進」。
前半の2席は、ほどよい笑いを交えた落語だったが、この「柳田格之進」は、笑いをとる場面は皆無に近く、人情噺のドラマの世界に満場の客をひきずりこんだ。
すごいものだった。
終わって、妻が「これも落語なの?」と訊いた。
尚、噺の最後は、格之進が、万屋の主人と番頭を手打ちにしてしまう形で一旦終わったが、「それじゃあんまりだと思われる方も多いでしょうから」と、ハッピーエンドで終わるバージョンも披露された。
武士、商人の矜持を核心とする噺の趣旨からすると、救いはなくとも前者が本来のようだ。

久しぶりに、本格的な落語をたっぷりと味わうことができた。

機会があれば、今度は寄席に行ってみたいものだ。