naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

勤続41年、最後の日<1>~午前いっぱいで退社

3月31日をもって、今の勤務先を退職し、4月からはグループ会社に勤務することになった。

昨29日(金)が、最後の出社日だった。

最終日は残念ながら曇り空。

イメージ 1


昨年8月に竣工開業した、この自社ビルには、7ヶ月少し勤務して去ることになった。

挨拶回りや身辺整理を済ませたら、午前中いっぱいで退社する予定としていた。

出社して、まず相談役室へ。社長、会長を歴任して、今は相談役を務めるM氏は、1999年に品川の支店に勤務していた時の支店長だった。今年でちょうど丸20年になる。

41年間の勤務の中で出会った、尊敬する人の一人である。

M氏からは、長い間本当に世話になった、と思いのこもった言葉をもらい、握手を求められた。他ならぬM氏からそう言ってもらい、長年の勤務が報われた思いがして、ちょっと泣きそうになった。

使っていたパソコンを整理し、机まわりの荷物から、新しい勤務先と自宅に送る荷物を段ボール箱に詰めて、宅配伝票を書く。

使っていた社章、名札、携帯電話、作業服などを、各担当に返却。

11時半頃、各フロアを回って退職の挨拶。グループには残るので、また会う機会のある人も少なくないが、ともかく41年前に入社した会社を離れることには、過去何度もあった転勤時の挨拶回りとは違う感慨がある。

そして。

最後に自分のフロア。隣の部署に挨拶をして、いよいよ所属の総務部である。

一連のかたづけ作業の進捗が定かでなかったので、午前いっぱいで退社する予定である旨は、部の者たちには明確には伝えていなかった。

しかし、デスクまわりのかたづきぶりや、宅配荷物の完成などを見ながら、そろそろ、という雰囲気は周囲に伝わったようで、こちらが何か言う前に、全員が立ち上がって私を取り囲む形になった。

日頃、慌ただしい仕事の中、外出したり席を外したりする者が多い部署だが、この時は全員が揃っていた。気を遣ってくれたのだろう。

思いがけぬ記念の品を渡され、いつもの鞄を肩に掛けて、11:45頃、フロアを後にした。

エレベーターでエントランス階まで降り、ふう、と息をついたところに、部の全員が追いかけて降りてきたのでびっくり。

玄関から表まで見送られる形で、今度こそ本当に部の仲間たちと別れて会社を出た。

引き続き曇り空の外は、やや冷え込む気温だった。

1978年3月31日(金)、翌日の入社式に向けて、同じ場所にあった旧社屋に集合した時も、こんな天気だったような気がする。

41年。

最後の1日、いや半日は、何かあっけなかった。