naokichiオムニバス

66歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

澤クヮルテット&蓼沼恵美子七夕コンサート“室内楽への誘い”

さて、今回の宇奈月旅行の目的、七夕コンサートである。

●澤クヮルテット&蓼沼恵美子七夕コンサート“室内楽への誘い”

日 時 2019年7月7日(日) 15:00開場 16:00開演
会 場 黒部市宇奈月国際会館セレネ
演 奏 澤クヮルテット(弦楽四重奏)、蓼沼恵美子(ピアノ)
曲 目 モーツァルト 弦楽四重奏曲第17番変ロ長調「狩」
     ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第4番ハ短調
     シューマン ピアノ五重奏曲変ホ長調
     [アンコール] モーツァルト ピアノ協奏曲第12番イ長調から第2楽章
               ハイデリック 「ハッピー・バースデー」の主題による変奏曲(抜粋)

プログラム冊子。

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音楽とは関係ない話から。

ファースト・ヴァイオリンの澤和樹東京藝術大学学長と、ピアノの蓼沼恵美子さんがご夫婦であることは言うまでもないが、蓼沼さんは、蓼沼宏一一橋大学学長の姉でもある。

そして、この姉弟の父上、蓼沼謙一氏は、私が卒業する時の学長だった。親子で学長というのもすごい話だ。

さて、この演奏会は全席自由。我々が会場に入った時は、既にかなりの聴衆で席が埋まっていた。

H列7番8番に座る。

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ほぼ満員の盛況である。

最初に澤氏だけがステージに登場してMC。このセレネでは、昨年12月に一度演奏しているとのこと。後で調べたところ、蓼沼さんとのデュオであった。

2日前の「ららら♪クラシック」で、弦楽四重奏がテーマとしてとりあげられた話もされた。

一旦澤氏がはけ、澤クヮルテットの4人が入場して、モーツァルトが始まった。

ヴィオラは中配置。

個人的な好みからすると、ハイドン・セットからであれば、14番、15番、19番のどれかが聴きたかった。後の2曲との流れを考えれば、15番ニ短調がよかったかな。

1楽章が始まってしばらくは、音がまとまらず、やや不安定な感じだった。

一方、ヴィオラがとても深みのあるすばらしい音であることも感じた。

静かでおとなしめの演奏という印象。何と言うのか、音楽の形をくっきりと見せる演奏ではない。例えば1楽章は、この楽章に普通イメージされる躍動感が前面に出ないし、メヌエット楽章も、メヌエットと感じさせるよりは、緩徐楽章のような表現だった。

きっぱりとしたところのない音づくり。

3楽章がとてもよかった。

次のベートーヴェンも、これまで持っていたイメージとは異なる演奏だった。

1楽章はとても静かで、「ベートーヴェンハ短調」は前面に出ない。アジタートな、あるいはコン・ブリオな感じはなく、効果をねらうところがない。

2楽章は、初めてこの曲を聴く人にも、弦楽四重奏の面白さを感じさせたのではないかと思う。そういう音楽であり、演奏だった。

それにしてもこの4番を聴いていると、ハイドン以来の弦楽四重奏曲の歴史の中で、セカンド・ヴァイオリンの役割が、ベートーヴェンで大きく変わったと感じさせられる。

それにしても、この曲のファースト・ヴァイオリンは本当に難しそうだと改めて思った。

前半2曲、1楽章のリピートは行われなかった。

休憩後のシューマンは、演奏の印象が一変した。

ピアノが加わったので、きらびやかになったのは当然だが、弦楽四重奏も、演奏の構えというか、姿勢がまったく変わり、開放的な音づくりだった。ピアノと弦が主張し合うコンチェルト的な気持ちよさがあった。

この曲では、1楽章はリピートされた。

それにしても、この五重奏曲は傑作だ。改めていい曲だとつくづく思った。

特に、4楽章の終盤、フェルマータの後に始まるフーガは、誠にすばらしい。

どの曲についても、やはりヴィオラがすばらしかった。暖かみ、深みのある、いい音だった。シューマンの2楽章も、もちろん圧巻だった。

アンコールは2曲。

澤氏のMC。ピアノ五重奏という曲種は、このシューマン以後、ブラームス、フランク、ドヴォルザークショスタコーヴィチが傑作を書いたが(何故かフォーレにふれられなかった)、実は、モーツァルトが、ピアノ協奏曲を3曲、ピアノと弦楽四重奏のために編曲している、との話があって、12番のアンダンテが演奏された。

さらに、弦楽四重奏メンバーだけが登場。

澤氏のMC。今日、お誕生日の人はいますか? との問いかけに、女性が一人手を挙げた。

後でCDをプレゼントします、との話の後、「ハッピー・バースデー」の主題による変奏曲が抜粋の形で演奏された。

この曲、CDを持っており、知ってはいたが、まさか実演で聴く機会があるとは思わなかった。

曲が曲だけに、場内大受け。

良い演奏会だった。

ホワイエでCD販売をしていて、サイン会が行われた。

澤クヮルテットとしての最新録音、シューベルトの「ロザムンデ」、「死と乙女」と、蓼沼さんが別の四重奏団と演奏した、シューマンブラームスの五重奏、そして、澤、蓼沼夫妻の小品集の3枚を買い求めて、サインをもらった。

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