naokichiオムニバス

67歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

クァルテット・エクセルシオ公開リハーサル

8日(金)、クァルテット・エクセルシオの公開リハーサルを観に行った。

 

J:COM浦安音楽ホールのレジデンシャル・アーティストであるクァルテット・エクセルシオは、昨年の9月から今年の3月にかけて、ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲チクルスを展開中。私は全5回のセット券を購入して通っている。

 

今回のチクルスでは、各回の演奏会前に公開リハーサルが行われている。

 

プロの弦楽四重奏団のリハーサルは観たことがない。どんな練習をしているのか興味深く、3回目のリハーサルの今回、初めて行ってみた。

 

入口で配られたペーパー。

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前2回はスタジオAで行われたそうだが、今回は新型コロナウイルスに係る緊急事態宣言が出たことがあってか、より広いハーモニーホールが会場だった。また、途中の休憩がなくなり、終了時刻が早まった。

 

各回の定員は50人(演奏会チケットを持っていれば入場無料)。30人程度入っただろうか。

 

ステージ上手側に演奏者の椅子4つ、下手側にPCと椅子2つが置かれている。

 

開演前から、チェロの大友肇さんが登場して音を出し始めた。他のメンバーも順次揃った。全員普段着である。マスク着用。

 

来週、13日(水)に行われる第3回演奏会の曲目は、7番「ラズモフスキー第1番」、大フーガ、13番の3曲となっており、この日は大フーガのリハーサルだった。

 

40分ほどのリハーサルの後、通し演奏が行われるとのことだった。

 

下手側席には、「実況」の渡辺和氏と解説の髙橋渚さんが着席。髙橋さんが操作するPCで、ステージ正面の大きなスクリーンに曲のスコアが映し出された。

 

渡辺氏の著書「クァルテットの名曲名演奏」(音楽之友社)は、もう20年以上、手元に置いて何度も読み返している本だが、こういう場所でご本人をお見かけするとは思わなかった。

 

演奏者がリハーサルを開始すると、スクリーンでは今弾かれている場所をマウスポインタが追いかけ、楽譜が順次スクロールされていく。

 

しばらく演奏された後、曲頭に戻った。メンバーが意見を言い合いながら返していく。音の切り方やテンポ感、リズムの統一、バランス等々。

(メンバーはマイクを装着しているので、やりとりの内容はよく聞こえる)

 

互いのことは、「ファースト」「チェロ」でなく、「ゆかちゃん」などと下の名前で呼んでいた。チェロの大友さんは「はっちゃん」と呼ばれていた。

 

一番発言していたのはヴィオラの吉田さんだったように思う。

 

私もアマチュアの立場で弦楽四重奏はそれなりに経験してきたが、第一印象としては、プロでもやっていることはそんなに変わらない気がした。

 

ただ、進むにつれて、ほんとに日頃こういうリハーサルをしてるんだろうか、と思うようになった。客席に聞かせ、わからせるためのやりとりではないのか、と。

 

例えば、ある奏者が別の奏者に、そこの音程がちょっと低い、と指摘する場面があって驚いた。プロが集まった四重奏団であれば、仮に低くても言われる前に自分で修正するのではないかと思われる。いちいち言い合うことはないのでは?

 

渡辺氏のMCによると、クァルテット・エクセルシオは、この大フーガを上階にあるコンサートホール(来週の本番演奏の会場)でレコーディング済みで、いずれリリースされるとのこと。それであればなおさらで、レコーディングまで済ませた曲について、今ここの場所で音の切り方がとかリズムがとかの話もないはずだ。

 

やはり、集まったお客さん向けの、一定のストーリーあるいは演出を定めた上で進められたリハーサルではなかっただろうか。自分たちが普段こうしている、ということではなく、わかりやすくお伝えすれば弦楽四重奏のリハーサルではこういうことをしてるんですよ、と。

 

さて、そのようなリハーサルが進むかたわらで、実況の渡辺氏、解説の髙橋さんが、野球中継のそれさながらに、話をかぶせていく。

 

4人の奏者が意見を交わしている脇で「これはどうしたいという話なんでしょうか」と渡辺氏が質問し、髙橋さんが「バランスの取り方ですね」と答える、といった具合である。

 

渡辺氏も本当にわかっていないから質問しているはずはなく、客席にとってリハーサルの流れや内容がわかりやすいように、というこれも演出の1つなのだろうと思う。

 

公開リハーサルとしてはそういう進め方が妥当なのだと思いつつも、2つの会話が並行すると、こちらも聖徳太子ではないので、できれば奏者の話だけを聞いていたいと思うことも何度かあった。

 

40分のリハーサルはあっという間だった。小節にして120小節か130小節あたりまで進んだところで時間切れとなった。

 

4人だけでのリハーサルはおそらくこれとは違う、もっとレベルの高いやりとりなのだと思う。ただ、それは企業秘密であり、客席の素人に見せるものではないのだろう。

 

仮にそうだとしても、初めて観るプロの四重奏団のリハーサルは大変興味深かった。面白かった。

 

ステージは若干の転換。下手の席が撤去され、奏者4人が中央に移動。

 

大フーガの通し演奏となった。通し演奏ではマスク着用がなかった。リハーサルと違って声を出さないからだろう。

 

本番は来週とは言え、力のこもった演奏だった。

 

それにしても大フーガという曲、最初から最後までいささかも緊張を切らしてはいけない音楽なのだろうと思った。要求される集中力はすさまじいものだろう。聴く側にも集中が要求される。大変な曲だ。とてもアマチュアが手を出せるようなものではなさそうだ。

 

大きな拍手。

 

13番も演奏される来週の演奏会が楽しみだ。

 

公開リハーサルはあと2回ある。次回、今月29日(金)のリハーサル(作品18、1番~6番)は出張のため足を運べないが、3月5日(金)の最終回(14番、15番)は是非また来たいと思う。

 

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