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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

古澤巖 ヴァイオリンの昼と夜

丹波篠山市立田園交響ホールは、篠山城跡のお濠の前にある。

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丹波篠山自体が初めてなので、もちろん初めて入るホールだが、落ち着いた雰囲気の良いホールだ。

 

我々の席は、5列17番、19番。1席ずつ空けている。かなり前かつ中央の席だった。前2列は使っていない。

 

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●古澤 巖 ヴァイオリンの昼と夜

日 時 2021年6月12日(土) 14:30開場 15:00開演

会 場 丹波篠山市立田園交響ホール

ヴァイオリン 古澤 巖

ピアノ 金益 研二

曲 目 マドリガル
    サン=サーンス 序奏とロンドカプリチオーソ
    ラヴェル ハバネラ形式の小品
    ピアソラ オブリビオン
    金益研二 夜のミロンガ
    R.シュトラウス ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調
    フバイ おいでよカティ
    モンティ チャールダーシュ
    グラズノフ 瞑想曲
    [アンコール] マスネ タイスの瞑想曲

 

入口でもらったプログラム。

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前日は弦楽四重奏、この日はヴァイオリンとピアノのデュオ。古澤(巖)さんと金益(研二)さんのデュオは、2019年9月に、黒部市宇奈月国際会館セレネ小ホールで聴いている。

 

見ると、前日同様、ピアノとヴァイオリン用の譜面台が、かなりステージの奥の方に置いてある。

 

最初の「マドリガル」。夢のように美しいヴァイオリンの音だ。

 

曲間のMCで、古澤さんが前日同様、宗次徳二氏から借りているヴァイオリンの話をした。この楽器は302歳。20億円するそうだが、保険がかけられないのだと言う。保険料で別のストラディヴァリウスが買えてしまうとのこと。私だったらとてもさわれないな。

 

ステージ上の演奏位置についての話があった。コロナ禍にあって聴衆が少ない中、ホールの響きが変わったので、音を鳴らすポイントを学ぶ機会になった。このホールのステージで、いい音が出る場所を探しながら決めたそうだ。編成が変わっても、客席から遠い方がいいということか。

 

2年前、宇奈月で聴いて、金益さんのピアノがとてもすばらしいと思った。今回も、サン=サーンスの「序奏とカプリチオーソ」を聴きながら、この人は、楽譜から音を選んで前に出すのがうまいと思った。後で演奏されたモンティもすばらしかった。

 

かつてサン=サーンスのこの曲を、イヴリー・ギトリスの前で弾いた話があった。

 

次のラヴェルはジャズのテイストが強く出た曲であり演奏だった。聴いていて、夏のイメージを感じた。

 

続けてピアソラの「オブリビオン」が演奏されたが、ラヴェルと似た感じだった。こういうタイプの曲に古澤さんの本領があると感じた。

 

「夜のミロンガ」は、金益さんの作品。古澤さんの新しいアルバム、「The Ecstasy of Gold」に収録されている。

 

この2人の演奏を聴いていると、単にアンサンブルがうまいとかそういう表現では追いつかないような呼吸の一体感を感じる。既にコンビを組んで20年になるそうだが、その年月の積み重ねから自然にできあがってきたものだろうか。

 

休憩前最後は、リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタ。聴いたことがないわけではないが、ほとんどなじみがない。

 

古澤さんは、大学卒業後1987年まで外国で勉強された。ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院で2年間学んだ時、周囲の誰もが長いヴァイオリン・ソナタを弾いていたのだそうだ。日頃は小品ばかり弾いているけれど、ソナタを弾いてみます。長いので休み休み、と第1楽章が演奏された。

 

15分の休憩後、最初は金益さんのピアノ演奏。「小さなミロンガ」と言う曲だった。金益さんはハンチングをかぶって演奏する。帽子がトレードマークの古澤さんとの共演だからなのかどうかは不明。ピアノを弾く横顔が伊武雅刀に似ていると、宇奈月の時から思っているのだが、正面を向くと全然違う。

 

古澤さんが登場して、シュトラウスの2楽章「improvisatuin」、3楽章「finale」を演奏した。曲をあまり知らないので、休憩前に全曲を抜粋で弾いたのかと思っていたのだが、そうでなかったことがわかった。「休み休み」と言っていたのはそういう意味だったのか、と思った。

古澤さんによると、大きな交響詩をたくさん書いたシュトラウスなのに、こういうデュオの曲を作ったというのは、何かの間違い。シュトラウスのイメージの中にはオーケストラの響きがあって、それが全部ピアノに書かれているので、金益さんは大変だと思う、と。

 

2つのチャルダーシュを演奏します、とフバイの「おいでよカティ」とモンティが演奏された。
ザルツブルクで師事したシャーンドル・ヴェーグはフバイの弟子だったので、自分はフバイの孫弟子と言えるかもしれない、とのこと。

 

さらに続けて、グラズノフの「瞑想曲」が演奏された。美しかった。

 

アンコール前のMC。こんなに小さい音でヴァイオリンをを弾いたことはないとのこと。ストラディがよく鳴ってくれたそうだ。

 

アンコールには、マスネの「タイスの瞑想曲」。沁みた。

 

17時前終演。

 

連日の古澤さんの実演。とてもよかった。来てよかった。

 

MCの中で、モンティの「チャールダーシュ」のミュージックビデオの話があった。

この曲は新しいアルバムに入っているが、そのMVが来週あたりアップされる。1934年の映画「未完成交響楽」の映像とコラボレーションしているので観て下さい、とのことだったが、その動画がアップされたので貼っておく。

www.youtube.com

 

古澤さんは、丹波篠山で何度も演奏会を開いているが、それだけでなく、この町で行われる大工のワークショップにも参加しており、先週もそれで来たばかりだと話していた。

古澤さんのFacebookにはその様子も載っている。

   https://www.facebook.com/iwaofurusawaofficial

 

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