昨17日(木)、浜離宮朝日ホールで行われたクァルテット・エクセルシオの演奏会を聴きに行った。
2023年、演奏会を聴きに行くのはこれが40回目となる。
クァルテット・エクセルシオの演奏会は、6月に府中と上野に行って以来となる。
●浜離宮ランチタイムコンサートvol.229
日 時 2023年8月17日(木) 11:00開場 11:30開演
会 場 浜離宮朝日ホール
演 奏 クァルテット・エクセルシオ
曲 目 モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲(弦楽四重奏版)
[アンコール] グレインジャー 岸辺のモリー
プログラム冊子から。
私の席は、1階6列8番。
1曲目の「フィガロ」は、6月の府中でも演奏された。府中の時に比べるとストレートな演奏だった印象。
曲間にチェロの大友(肇)先生がマイクを持ってMC。
今回の演奏会は、意図したわけではないが、早世した天才の曲が並んだとのこと。
2曲目の「不協和音」に関連して、ダイナミクス記号のお話があった。それまでの13曲では、モーツァルトは曲頭にpあるいはfと書いたらそれっきりで、ダイナミクス記号に無頓着だったが、「ハイドンセット」になると、fやpを積極的に書き込むようになったのだそうだ。
シューベルトになると、ppも使われるようになるが、特に歌う場面はppが多用されるとのこと。今回演奏する「四重奏断章」は未完成の曲だが、シューベルトはh-mollのシンフォニーなど未完成の曲が多く、それは、彼が自分の作品にネガティブな評価をくだす傾向があったから、とのお話もあった。
「不協和音」は、とても清潔感のある演奏だった。もちろん音楽自体がそうなのだが、シンプルな白いYシャツ、あるいはブラウスのようなイメージで聴いた。
3楽章、4楽章などでは、ほんの少しずつ隠し味のようなニュアンスがふりかけられていた。
4楽章では、ファーストの西野(ゆか)先生の楽譜の左の方のページが、ステージ上に風があるのか、奏者側に揺れるような感じになってはらはらした。西野先生はネックの先でしばしば押さえるような動きをされていた。
シューベルトは府中でも演奏された。
「不協和音」の後に聴くと、モーツァルトの四重奏に比べてずいぶん違う音楽だという気がする。調の違いも印象の違いの大きな理由かもしれないが、厳しいc-mollの音楽ながら歌謡性がとても前面に出てくるように感じる。
ベートーヴェンともまた違う。シューベルトだけの場所に咲いた花、という感じだ。
休憩15分。
メインはメンデルスゾーンの1番。
7月には、名古屋で品川カルテットの4番を聴いた。また、茂木大輔先生のワークショップの合間に、クァルテット奥志賀の先生方の2番(第1楽章)を聴く機会があった。
メンデルスゾーンの四重奏を聴くことが続いている。
この1番も知らない曲だ。
大友先生のMCでは、ドラマチックで情熱的な曲です、との紹介があった。
全曲を通じて、基本的に端正な音楽という印象。
その中で、2楽章はとても才気を感じさせる面白い音楽、また4楽章は確かに情熱的、アジタートな音楽で、心に残った。
アンコールには、府中の時と同じ、グレインジャーの曲が演奏された。とても面白い曲だ。
コロナで見かけなくなっていたホワイエのアンコールボードも復活しましたね。