naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

物言い協議について思いついたこと

九月場所初日、北勝富士貴景勝の一番は物言いがついて取り直しとなった。

 

長い物言い協議を観ながら、ふと思いついたことがある。

 

物言い協議においてビデオを参考にする方法は、1969年(昭和44年)五月場所から導入された。例の戸田=大鵬の誤審が契機だった。

古いイメージの相撲界が、いち早くこの方式を取り入れてもう半世紀以上になるわけだ。

 

この間、ビデオの扱われ方は、ビデオ室での再生映像を(担当の親方?が)伝えるのを、審判長がイヤホンで聞いて、それを土俵上の他の審判や行司に伝える形で一貫してきた。

 

ずっとこれを当たり前だと思ってきたのだが、そう言えば、と思いついたのは、今の時代なら、その再生映像を、土俵上にいる全員がタブレットか何かを使って観ることが技術的に可能ではないのか? ということだ。

プロ野球のリクエスト制度の場合は、審判全員がグラウンドから一旦離れて、ビデオ映像を直接確認して判定を下している。

一方、相撲の場合だと、ビデオ映像を直接観ているのはビデオ室側の人物であって、土俵上で判定を下す権限を持った審判は、誰も観ていない。審判長であっても、ビデオ室の見解を聞かされるだけだ。

相撲では、ビデオは「参考」であって、判定は審判が下す位置づけになっており、例えばサッカーの「三苫の1ミリ」みたいに、機械の計測結果が問答無用で判定に帰結するわけではない。

それであっても、と思う。参考であっても、映像自体を審判団本人が観る形を検討すべきではないだろうか。

 

もう1つ、この協議の間、これもふと思いついたことだが、土俵上の協議の内容の細部というのは、事後、報道に発表されることがないよね。

テレビ放送の最中、例えば、昨日の一番では、北勝富士のかかとが出ていたかどうかが、放送席ではだいぶ議論されていたが、佐渡ケ嶽審判長の説明は、北勝富士が土俵を出るのと貴景勝が落ちるのと同時とみて取り直し、というものだった。つまり、北勝富士のかかとが協議の中で話題になったかどうかはわからない説明だった。

場内への説明は簡潔を要すると思うが、打ち出し後、その日物言いのついた取組については、協議の論点が何だったか、最終的に判定を下した理由は何だったかなどを、報道に説明してはどうだろうか。

物言い協議の内容についての審判部としての公式見解が、テレビや新聞で報道されれば、相撲ファンとしての納得も高まると思うのだが。