稀勢の里と碧山の一番が、物言いになった。
協議の結果は、その前に、正面土俵につまった碧山の足が出ていた、ということでの差し違え。
この一番、審判長の対応として、非常に問題があると感じた。
碧山の足が出たとされる、正面徳俵の少し青房寄り。
これは、審判長の藤島親方の、まさに目の前だ。
ここで、碧山の足が蛇の目の砂にさわったのであれば、すぐさま審判長が手を挙げて、勝負を止めなければならないところだ。
仮に、両力士や行司がわからないで勝負を続行したとしても、それを止めるのが審判の役目だ。
しかし、それがないままに相撲が続いて、結果としての差し違え。
目分量的な印象だが、碧山の足が出たのは、この一番、全体の時間の半分くらいでのことだったように思う。
勝負がついた時点から、さらに倍の時間、無駄に相撲をとらせて、しかも差し違え。
この間、どちらかの力士が怪我でもしたら、どうするのか。
テレビ中継の画面では、誰が物言いをつけたのか、判然としなかったが、仮に藤島審判長その人だったら、それはありうべからざる話だし、他の審判だったとしても、物言い協議の中で、審判長としては赤っ恥と言えないか。
何故、左四つに渡り合った相撲で、白鵬があそこまで薄氷の勝利になるのか。
これも物言い相撲となった。
あんなふうに、何もできぬままじりじりと寄られるとは。
今日の土俵上、相撲をとっていて、白鵬に、先場所のような何か支障が生じたのではないのか。
寄られた時に、左膝に力が入っていないようにも見えた。
十全の相撲がとれない何かが、白鵬に起きたのではないか。
そうでも考えない限り、説明のつかない流れだった。
千秋楽まで皆勤できないケースもあるのでは? とさえ思った。
<追記>
翌朝の朝日新聞は、この相撲について、「勝ちを拾ったようにも映る」としつつ、普通の上手投げでなくやぐら投げで逆転した点を評価し、「相撲勘はさえわたり、故障の回復具合も万全、怖いまでに強い白鵬戻る、を印象づけた」としている。
式守伊之助は、中日から3日間の出場停止処分。