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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

コルシカ音楽祭~コルシカの風~

12日(火)、Hakuju Hallで行われた、古澤(巖)さんの「コルシカ音楽祭~コルシカの風~」を聴きに行った。

コルシカ音楽祭のツアーは、以前から行われていたと記憶するが、聴きに行くのは初めてだ。チケットは2枚買い求めていたが、直前になって妻がやや体調を崩し、1人で行くことになった。

 

夕方、折からの強い雨の中、家を出て、京葉線日比谷線、千代田線を乗り継いで代々木公園駅からHakuju Hallへ。

 

入場時にもらった絵ハガキのようなセットリスト。

 

●コルシカ音楽祭~コルシカの風~

日 時 2024年3月12日(火) 18:30開場 19:00開演

会 場 Hakuju Hall

出演者 古澤 巖(ヴァイオリン)、ベルトロン・セルヴェラ(ヴァイオリン)、

    ステファン・プティジャン(ピアノ)、

    ジャン・オリヴィエ・バケット(コントラバス)

曲 目 皆楽しんで!

    蛇使い

    フランス映画の星

    オペラファンタジー決闘

    Lopezメドレー

    5つの小品

    オッフェンバッハメドレー

    闘牛士

    マリッツァ伯爵夫人

    [アンコール] チャップリンメドレー

 

我々の席はC列6番7番。7番に座って6番に荷物を置いた。

 

コルシカ音楽祭というのは、毎年夏にフランスのコルシカ島の山奥で2週間開催されている催しらしい。古澤さんがこの音楽祭と接点を持つ機会があり、このような演奏会を日本で開くことになったようだ。

 

編成は、ヴァイオリン2本、コントラバスとピアノのピアノ四重奏。

 

全員黒っぽい服上下。古澤さんも同じような衣装で、いつもヴァイオリンを構える時に使っているスカーフは、珍しく無かった(上の写真では使っているが)。

 

  ↓ この写真は、古澤さんのFacebookページから転載させていただいた。

 

ドイツとフランスの映画の音楽で構成される「皆楽しんで!」と、コミカルな「蛇使い」が続けて演奏された。

以後、曲間は古澤さんのMCで進行。

 

コルシカ音楽祭は、今年の夏で20周年になるが、その一夜をお届けする。

ダンスホールやキャバレーに迷い込んだような、古き良き時代の時間を過ごしていただきたい。

そんなお話だった。

 

レイモン・ルフェーブルなどのフランス映画のメドレー。

 

ピアノのステファン氏が、クルト・マズアに似ているな、と思いながら聴いた。

 

今日はこんな感じの曲ばかりです、と古澤さん。

 

続いてメンバー紹介。そのピアノのステファン氏が、全曲の編曲を担当されているのだそうだ。

また、ヴァイオリンのベルトロン氏が、このユニットのボスであり、コルシカ音楽祭のボスでもあるとのこと。

 

次はオペラのメドレー。

カルメン」の「アラゴネーズ」で始まり、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲などが続き、最後はまた「カルメン」の「ジプシーの歌」で閉められた。

 

ステファン氏は、オペラの指導の仕事もしているので、この曲の譜面にはほとんど何も書いていないのだそうだ。

 

コルシカと日本、島国同士のコネクションを試みるということで、「荒城の月」とコルシカ民謡のメドレー。

「荒城の月」は、最初古澤さんの無伴奏ヴァイオリン1本でスタート。開放弦を結構使っていた。やがてヴァイオリン2本になり、tuttiへ。

続くコルシカ民謡は、手拍子も出る賑やかな音楽。音楽祭の最終日はこういう曲で踊り狂うのだとのこと。

 

第1部の最後は、フランシス・ロペスのメドレー。ロペスという人はオペレッタをたくさん書いた人らしい。

 

休憩15分。

 

第2部最初は、ショスタコーヴィチの5つの小品。ショスタコーヴィチが書いた映画やバレエの音楽をまとめたものだという。

どれも純粋に楽しい音楽だった。ショスタコーヴィチ特有のシニカルなところがない。

機会音楽に徹したという感じだ。最後は、シュトラウスポルカのような音楽だった。

 

オッフェンバックオペレッタのメドレー。10曲で構成。

 

最初の曲から、ボスであるベルトロン氏のパフォーマンスが楽しかった。時に声を出し、時に踊り、時に客席に下りるなどしながら、ステージを演出した。

古澤さんによると、僕にはできないことばかり、だという。

 

2部最後は、「闘牛士」と「マリッツァ伯爵夫人」が続けて演奏された。「闘牛士」は「エスパニア・カーニ」で始まるスペイン風の音楽、「マリッツァ伯爵夫人」は、チャルダッシュの連続のような音楽だった。

 

アンコールには、チャップリンのメドレー。

再度のカーテンコールはなく、あっさり終演。

 

大変楽しい演奏会だった。

古澤さんは、毎年複数のツアーを行っている。

「ヴァイオリンの昼と夜」は、金益研二さんとのヴァイオリンとピアノの二重奏。

「品川カルテット」は、弦楽四重奏

ベルリン・フィルハーモニックストリングス」は、ピアノ五重奏。

バロックの昼と夜」は、ヴァイオリンとバロックチェロの二重奏。

山本耕史を迎えての音楽劇などもやっている。

それぞれ内容の異なる演奏会は、古澤さんならではのもので、毎年そのいくつかを聴いて楽しんでいる。

「コルシカ音楽祭」は、そのどれともまた違う世界。楽しさという点では一番かもしれない。

 

妻が来られなかったのが誠に残念。おそらく来年もまたこのツアーはあるだろうから、是非また聴きたいものだ。

 

外に出ると、意外にも雨はやんでいた。

 

古澤さんの演奏会、5月には金益さんとのデュオを聴きに丹波篠山に行く予定。