naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

5月場所14日目

北桜嘉風は攻防のある実にいい一番だった。
嘉風勝ち越し、北桜負け越しだが、価値のある相撲。

豊真将は、少し膝の具合が持ち直した、今日の土佐ノ海戦は、立ち合いから低い体勢で辛抱強くとったが、土佐ノ海の引きに落ちた。
残念な負け越しだが、琴欧州同様、膝をちゃんと治して来場所以降いい相撲を見せてほしい。

十文字栃乃洋白露山豊ノ島普天王武雄山、いずれもねばり強い攻防のある、いい相撲だった。みごたえがあった。

高見盛は立ち合い右からおっつけ気味にいったが、結局出島に二本差されてしまい、勝ち越しならず、両者7勝7敗で千秋楽。
それにしても、高見盛は、地力のない人ではないと思うのだが、下位に落ちても大勝ちできない。
終盤の弱さも影響している。やはり身体が今一つできないことで終盤疲れが出てくるのと、精神面でも弱さがあるのだろうか。

朝赤龍旭鷲山をよく見て突き放し、10勝目。本当に今場所の朝赤龍は相撲内容がいい。
稀勢の里垣添を離れた相撲で破って、7勝7敗と踏みとどまった。
小さい相手には、こうやってよく見ながら突きで勝負をつけるのも悪くないと思う。
問題は、大きい相手、地力のある相手をどう攻略するかだ。

琴奨菊旭天鵬をがぶり寄りで下して勝ち越し。やはり現時点では稀勢の里より評価したい。

安馬が立ち合い張り差しから豪風を一気に寄った。攻めが速かった。
気力は衰えていない。いい相撲をとってくれた。

7勝6敗同士は黒海が'''琴光喜を破って勝ち越し。
黒海の立ち合いの当たりがよく、これで琴光喜をぐらつかせて主導権をとれたのが勝因。
それにしても琴光喜はふがいない。

さて注目の雅山把瑠都戦。
いくら把瑠都が予想外の相撲で勝ち進んできたとはいえ、幕内最重量の雅山相手ではそうはいかないだろうと思って見た。結果はあっけなかった。
時間一杯から把瑠都の仕切りは非常にいい形だった。
立ち合いは把瑠都も重い雅山に当たり負けせず、さすがと思ったが、突き合いになるかと思ったとたんにはたきにいった。
岩木山戦の時のように、はりま投げをねらったのか、肩越しに上手をとるしぐさもあったが、さすがに絶好調の関脇には通じない。
今日に関してはやはり相撲が雑だった。新入幕の若手としては、負けてもいいから、思い切って突いて押し込むような相撲をとってもらいたかった。
把瑠都の自滅に近い形だった。
雅山の重い突きがそれだけ強く、把瑠都に引かせたとも言える。
やはり地力の差。雅山の完勝だった。

状態が悪い同士、琴欧州魁皇は、琴欧州が立ち合い左に動いて上手をとりにいった。これは感心しない。まっすぐ当たりながらまわしをとりにいってもらいたかったが、今場所はそういう相撲がほとんどとれていない。深刻だ。
しかし、それ以上に、やはり魁皇が相撲をとれる状態ではなさそうだ。
ともかくも琴欧州が7勝7敗に持ち込んだ。
明日の千代大海戦も、千代大海がいい状態ではないので、勝ち越しの望みはあるが、それにしても、相撲を立て直してもらいたい。
魁皇が出場し続けていることについては、賛否両論があろうが、連日こんな相撲しかとれないのであれば、やはり休場すべきとも思う。

結びの白鵬千代大海戦は、順当な結果。
白鵬の立ち合いが低かったのがよかった。
まわしこそとれなかったが、今の千代大海の状態では、突きがきかず、白鵬の足腰は崩れない。
千代大海としては、大関同士の対戦に失礼な言い方ではあるが、むしろ今日は善戦した方だ。
白鵬に望むとすれば、立ち合いに右四つに組み止めてしまうくらいの圧倒的な強さで勝つことだ。

さて、これで白鵬雅山が1敗で併走のまま千秋楽。

審判部が敢えて白鵬把瑠都を当てたのは英断だと思う。今の魁皇を番付順に当てるよりはよほど意味がある。
把瑠都雅山に勝って優勝争いに残っていればもっと盛り上がっただろうが、むしろ、優勝が関係なくなった方が、明日の把瑠都は不気味だ。
今日の雅山戦を反省して、思い切って前に出る相撲をとれば、白鵬も苦戦するだろう。

雅山朝赤龍。こちらも好調な相手だけに簡単にはいかないだろうが、把瑠都を下した雅山の勢いが勝りそうだ。

白鵬が優勝するなら、1敗同士の決定戦の末ということになりそうだ。
一方、雅山が優勝するなら、白鵬が星を落としての本割りまででの決定になるのではないか。