naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

朝青龍問題その後

朝青龍問題。

一般紙の扱い、スポーツ新聞の扱い、そしてテレビのワイドショー(系の情報番組)の扱い。

濃淡はあるが、おさまってはいない。

今日、テレビを見ていると、相撲協会の医師が、自分は診ない、という話をしたとか。

で、「第5の医師」という人が、本人と会うことになったという。

・・・どうもおかしくないか。

ケガの治療のための帰国を理由に、夏巡業の休場を申し出た横綱が、帰国した先でサッカーに興じていた。
だから、2場所の出場停止の処分、謹慎、減俸の処分を受けた。
処分の軽重については、賛否あろうが、いけないことをしたことは事実だ。

ところが、処分を受けた当の横綱が、神経衰弱だとかストレス障害だとか、うつ病一歩手前だとか言われるようになってしまった。
そのこと自体、あの精神面に強く、どころじゃなくて、あれこれのトラブルを起こしてきた粗暴な横綱だったから、処分した側にとっては、予想外だったのだろう。

一時は、モンゴルに帰国させて治療させた方がいいのか、という議論になった。
ところが、それはその内、消えてしまって。

で、今。

結局、今、何が問題になってるんだ?

という感じですよね。

今さっき、テレビを見ていたら、細木数子が、「長年、一人横綱として、角界を支えてきた横綱を、こうやって幽閉して、窓から外を見ることさえできなくしているのは、人権侵害だ」と主張していた。
しかし、そういうことなの?
誰かが、外に出たい朝青龍を幽閉してるのか????

今、どういう状況なのかがわからない。

あ、ついでに細木数子の話をすると、同じ番組で、確か先週、細木は、「朝青龍は、ちゃんと表に出てきて、きちんと話をすべきだ」と言っていたよね。
言ってることが違わねえ?
そもそも、朝青龍細木数子は親しい間柄のはずだから、この豹変ぶりには、何かかんぐりたくもなる。

まあ、細木個人の話は置こう。

しかし、これだけ連日、マスコミでとりあげられている朝青龍問題、一体、何が問題で、どうあるべきだと言いたいのか?
それがどうにも判然としないのだ。

私個人としては、伝えられる、朝青龍が精神的に打ちのめされている、ということの真偽、それに尽きる。
テレビを見ていても、その点を問題にしてはいるが、私とやや異なるのは、力士として、3場所後に土俵に復帰して、ついこの間の7月場所で、見事に優勝を手にしたような相撲がとれるかどうか、という視点があまり見られない点だ。

やはりテレビは、長い相撲界の歴史の中でも、きわめて異例な、今回の状況を、興味半分にとりあげているという感じが否めない。
だって、ふだん、こんなに相撲の話題はとりあげられないし・・・。

マスコミの扱いの話は別にして。

私が疑問に思うのは、相撲協会の動き方だ。

北の湖理事長は、「処分決定後は、師匠と弟子の問題」としているが、もはやそういう話ではないのではないか。
マスコミの扱い方が正当かどうかは、確かに疑問もあるが、それにしても、世間の耳目を集めていることは事実だ。

これだけ、世間が騒いでいる今、もはや「師匠と弟子の問題」ではないのではないか?

処分を決める時には、あれだけ、迅速に招集された理事会が、今もって行われないのはおかしくないか?

今、世間的には、処分の軽重が問われているわけではない。その意味では、相撲協会に対するブーイングはない。
しかし、私のような相撲ファンから見ても、今、どうなっていて、何が問題なのか、はわからない。
それは知りたい部分なのだ。

要するに、朝青龍が、今回の処分に、本当に心底ヘコんでしまっているのか、逆にふてくされてしまって、ひきこもってしまっているのか。
また、他の力士が夏巡業で鍛えている今の時期、家から外に出ず、まったく稽古しないでいる状況で、そもそも土俵に復帰できるのか?

これらの疑問に誰が答えるのか?
これだけ日数がたち、事態がはっきりしない以上、これはもう、個別の師匠対弟子の問題ではないように思うのだ。

高砂親方の、朝青龍に対する指導力に問題があることは、私も認める。
その高砂親方が、今、協会の理事として、広報部長の立場にある、というのは事実だが、その意味で、連日、高砂親方がマスコミにつかまっているわけではないはずだ。
あくまで、朝青龍の師匠として、対応しているのだと思う。

しかし、争点が何か、はっきりしないまま、これだけ連日マスコミをにぎわせている問題であれば、これは、協会の問題として対処すべきであると思う。

今、モンゴルに帰国して治療すべきかどうかの問題は、後退していると思う。
「本人は帰りたがっているのに、協会が帰さない」という図式にはなっていない。
であれば、何が問題なのか?

少なくとも、処分の内容には従っている。9月場所が始まっていない、今の時期、自宅から出ずに謹慎しているのは、処分の内容にはさからっていない。

となれば、何も問題はないのだ。今のところ、表面的には。

だから静観する、というなら、そういう公式コメントを出すべきだ。
しかし、出てこない横綱の真意は定かでない。それも事実だ。
マスコミはそこを知りたがっているのだろう。だから、高砂親方の会見で、朝青龍の会見の有無を、まず問題にするのだろうと思う。

しかしだ。いずれにしても、ここまできたら、理事長が出るべきだ。
そもそも、処分の発表の席に、理事長が出なかったこと自体もおかしい。

テレビで見るところでは、モンゴルでは、日本大使館前でデモが行われているそうだ。
モンゴル力士が不当な扱いを受けているということのようだ。
(これについては、個人的には、「横綱というのは、それだけの立場にあるのだ」という話をまずしたいし、同じモンゴルの旭天鵬が、1場所出場停止された時、モンゴルではどの程度騒ぎになったのか、と問いたい)
まさか、外交問題にはならないだろうが、こういう声には、協会のトップである理事長が語るべきだと思う。

土俵への復帰を第一に考え、治療の道をさぐるというなら、それでもいいが、であれば、何故協会の医師が、治療をしないのか?
だから、協会の今の考えがどうなのかが、わからなくなってしまうのだ。

今、一体何が問題なのか、をまずはっきりさせてほしい。
そして、それについての、協会としての考え方を知りたい。

でないと、相撲ファンとしては、協会からは納得できるコメントがなく、また、テレビの報道内容も違うなあ、と思ったまんまで過ごさないといけないのだ。