naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

敗北

昨9日(土)、ご近所アンサンブルからユニ響(津田沼ユニバーサル交響楽団)の練習と、外出している間に、北京では、谷亮子選手が準決勝で敗れ、甲子園では、木更津総合が2回戦で智弁和歌山に敗退した。

帰宅後録画で観た3位決定戦、谷選手は勝ってもまったくにこりともしなかった。
悔しかったのだろう。

残念。

でも・・・。

柔道ファンでも何でもない私が、谷選手の試合を観るのは、オリンピックの時だけと言っても過言ではない。
木更津総合の野球にしても、別に県予選から追いかけて観てきたわけではない。

オリンピックだから関心がある。甲子園の本大会だから関心がある。
あくまで、「本大会に出てきた選手、チームの成績」に関心がある、というレベルだ。
その競技の本当のファンは、そんなものではないはずだ。

こんな私が、残念だとか、悔しいだろうとか、まして、もう負けちゃって、何やってんだよ、とか言っていいものではないんだよね。

今日の朝刊、出産後の谷選手が、いかに苦労を重ねてきたかが書かれていた。

授乳、離乳食、子育てと柔道の両立。

女性として、子供を産むということは、大変なことなんだろう。
それでなくとも年齢的に、アスリートとしてだんだん厳しくなっていく中で、もうこれで5回目になるオリンピックに出場することは、大変なことなんだろう。

私レベルのスタンスの人間は、「何だ、金じゃなかったのか」と思ってしまいがちだ。
「オリンピックだから」観て、「金であるかどうか」に目が行ってしまう。

大変なことをいっぱい乗り越えてきての銅メダル。

銅「しかとれなかった」のか。
銅「に何とか手が届いた」のか。

悔しいのか。
満足なのか。

本当のところは、谷選手の心の中にしかない。
もしかしたら、谷選手自身にも、わからないのかもしれない。

頂点をきわめた選手が、下り坂になることは仕方がないことだ。
いつまでも勝ち続けることはできない。どんな大選手でも、必ず敗れ、退く時がやってくる。

さだ(まさし)さんの「甲子園」という歌(「風のおもかげ」所収)に、こういう歌詩がある。

    「3000幾つの参加チームの中で
     たったの一度も負けないチームはひとつだけ
     でも多分君は知ってる 敗れて消えたチームも
     負けた回数はたったの一度だけだって事をね」

一度も負けることなく、優勝する選手、優勝するチームは、一人、一つだけ。

それ以外の、99%の選手、チームは、必ず負けているのだ。

オリンピック、甲子園という、全世界、日本全国のあこがれの舞台に出場した選手、チームのほとんどが、その舞台で敗北する。

勝った選手、勝ったチームに与えてもらった感動は、いつまでも忘れず大切に憶えておきたいが、それ以上に、一つ一つの「敗北」、そのプロセス、背後にあるものに、思いを致すようにしたいと思う。

「金メダル」でなければがっかり、ということでなく。
(私は、以前から、メダルにも入賞にも届かなくても、そこで、「自己ベスト」を更新した選手というのは、本当に最大の賞賛に値すると思っている)

そんな気持ちで、この暑い夏、お盆休みのスポーツ観戦を楽しみたい。

あ、そう言えば、星野ジャパン、昨日はセ・リーグ選抜との強化試合に惨敗。
うーん、心配だ。
それから、検査入院してたという野口みずき選手は?

※関連の過去記事「高橋尚子という人」
    http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/53988002.html