９月場所10日目～１敗の両琴相次いで敗れる

ＮＨＫの放送は、正面玉ノ井、向正面立田川。理論派同士のやりとりがなかなかよかった。

把瑠都が栃ノ心を力強く寄り切って勝ち越し。
今場所の把瑠都は、突っ張りにも威力があるし、今日のような右四つでの相撲が目につく。これまでは左四つの相撲で強さを見せてきたが、右四つでもとれるとなると、相撲の幅がひろがった感じがする。

琴光喜が、バタバタする悪い時の相撲が出てしまった。
立ち合いから突っ張り合い。これは日馬富士ペースで危ないぞ、と思っていたら、案の定。琴光喜が向正面に押し込むところ、日馬富士は俵に足がかかりながらも、下からもろ差しになった。
琴光喜としては、突きで勝負をつけにいったのがまずかった。２敗。

琴欧洲も魁皇の得意手にまんまとやられて２敗。目の前で同僚の琴光喜が敗れたことで、精神的影響があったか。
魁皇は、立ち合いいきなり相手の左かいなをとってたぐったが、これに賭けた、という相撲。琴欧洲がまずい相撲だったというよりは、魁皇の思いきりがよかった。

予断を許さない結び二番。

白鵬＝鶴竜は、内容は鶴竜が圧倒。白鵬は立ち合い踏み込みなく、踏み込んだ鶴竜が左からおっつけて前に出て、かっぱじくように突き落とすと、白鵬は横を向かされてたたらを踏み、誠に危なかった。
しかし、うまくまわりこんで残すや、相手の右をたぐってのとったりで辛くも星を拾った。
白鵬は、立ち合いに左上手に手がかかりながら、これをしっかりとることができなかった。最後は、さすがの柔軟な対応力をみせたものの、状態はよくないと言わざるを得ない。

一方の朝青龍は完勝。左四つ、先に充分な形を作った。稀勢の里は終始上手をとれないまま。逆にならなければ。

対照的な両横綱の相撲だった。

全勝　朝青龍
１敗　白鵬
２敗　琴欧洲、琴光喜、把瑠都、北勝力

明日から終盤戦。優勝争いはまだまだわからないが、白鵬の状態が心配だ。両琴の敗戦にもがっかりさせられた。