naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

錦秋十月大歌舞伎

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今日12日(火)、妻と新橋演舞場へ。いただきもののチケットだが、「錦秋十月大歌舞伎」の夜の部。

私は、歌舞伎というものは、テレビでもちゃんと観たことは一度もなく、実演は生まれて初めて。

何の予備知識もない素人が足を踏み入れていい所なんだろうか・・・?

「夜の部」は午後4時半開演。当然、最初からは行けない。会社を出たのが17時半過ぎ。
東銀座までは宝町から都営地下鉄でひと駅なので、15分足らずで着いた。

演目は3つ。

   近江源治先陣館 盛綱陣屋

   神楽諷雲井曲毬 どんつく

   艶容女舞衣 酒屋

一番目の「近江源治先陣館」が18時くらいには終わると聞いていたので、その時点で席につくつもりで、それまでは、初めての新橋演舞場、ロビーなどを見物しようと思っていた。

とりあえず玄関から入ると、女性の係員がチケットを見せろという。それはそうだな、と見せると、「ご案内します」と言われ、えっ?いいの?と思う間もなく、客席へ。

既に到着していた妻の隣に座る。

演奏中、じゃなかった、芝居の最中でも入っていいんだね。

今やってるこれが、「近江源治先陣館」なのかな。

でも、座ると、場内はクラシックの演奏会みたいに、しーんとしている。
そんなところに、素人が途中から入ってきてごめんなさい、という気持ちで、しばらく固まったままでいた。

それでなくても歌舞伎は知らないのに、途中から入ったから、何の話なのかも全然わからない。

何をしゃべっているのか、歌っているのか、日本語だが初心者にはよく聞き取れない。

固まったまま観ていたが、何か、悲しい場面のようだった。

子役が切腹して死んでしまい、その後、主役らしき仁左衛門切腹しようとしたが、別の人物が出てきて止めた。

そんな舞台を30分ほど観たところで、この演目は終了。

次の演目までの幕間が35分。オペラの休憩並みの長さだが、やはり舞台装置の転換のためにはそれくらい必要なのだろう。

ここで、座席に座っている観客が一斉に食事を始めたのにちょっとびっくり。
芝居見物の幕間で食べる弁当が幕の内弁当の語源だということは知っているので、そういうものだと思いつつも、コンサートの場合は、クラシックでもポップスでも、「会場内での飲食、喫煙はご遠慮下さい」と言われるのが通常だから、劇場の客席でこんなに多数の人が一斉に物を食べている光景というのは、もの珍しかった。

ロビーや売店を見物した後、次の演目、「神楽諷雲井曲毬」が始まった。これは踊り中心の内容だった。

舞台下手に、三味線の人が3人、歌を歌う人が4人。他に、太鼓や鐘の打楽器(鳴り物というのかな)の音が聞こえたが、この奏者は客席からは見えない。

音楽演奏と演劇のコラボという点では、オペラやミュージカルを連想する。
思ってみれば、オペラやミュージカルはこれまであれこれ観ているが、日本人としてこの国に生まれて半世紀以上を生きてきながら、歌舞伎も能も狂言浄瑠璃も一度も観たことがなかったなあ、とつくづく認識させられる。

舞台上で繰り広げられている世界も、私には初めての独特のもの。長い年月を経て確立した様式美があることは私にもわかった。

そして、客席の方も独特の世界があると思った。拍手をするタイミング、「成田屋!」とか掛け声みたいなのを叫ぶタイミング、皆さん心得ていらっしゃる。
素人の初心者としては、おろおろしてしまった。
周囲のお客さんが、時々笑うんだけど、そこが笑うべき場面なのかどうかがわからなかったりする。

いやいや、貴重な経験でございました。

是非また歌舞伎を観てみたいと思ったか、と言われれば、ちょっと答えに詰まるが(汗)、前の記事に凛々さんからいただいたコメントでは、イヤホンガイドを使うととてもよくわかるとのこと。

機会があったら試そう。

2演目目が終わったところで、会場を後にして、久しぶりに築地江戸銀へ。