浦安オケ、当面の活動休止、5月の定期演奏会中止(延期)という、非常に重い発表があってから、気分はやはりふさいでいる。
自分の気持ちを見つめてみるに、何が大きいかというと、それは、目標としていた本番自体が失われたことよりも、毎週の練習の再開見込みがないことの方だということに気づいた。
毎週日曜日、昼前に家を出て新浦安に行き、午後の練習に参加して帰ってくる、という、これまでの生活パターン。
練習場所に行けば、いつもオケ仲間が集まってきていて、みんなで演奏ができる。
当たり前だった、そういうことが当面なくなってしまった。これだな。
仮に、演奏会を行うホールが震災で被害を受けて使えなくなった(そういうホールも現にある)から本番中止にするが、練習はふだん通りできるということなら、ここまでこたえなかったかもしれない。
しかし、今回は、練習場所確保の見込みが立たないわけだから。
演奏会本番という、中期的な目標の喪失もさることながら、それに向けての練習、即ち団員にとっての「日常」が失われたことが大きいと思う。少なくとも私の場合は。
新浦安地元で、いまだにライフラインの損傷や、道路など街中が荒れている環境の中で、私などよりも遙かに不自由で苦しい生活をしている団員も多いが、そういう団員にとっても、週1回、ふだん通りに楽器を弾ける場が確保されるなら、一時でも、生活の苦境を忘れ、心癒される時間になるかもしれないと、思ったりする。
もちろん、個々に考えは色々だろうけど。
練習だけでも再開されればなー・・・。
そんなことを考えていた昨日、ヴァイオリンのYさんからメールをもらった。
室内楽をやりましょう、というお誘いだ。
2月の岩井での合宿の時に、Yさんたちと、モーツァルトのクラリネット五重奏曲を合わせたが、その時のメンバーへの呼びかけだった。
Yさんは、お仕事も震災の影響を受けてお忙しい上に、断水が復旧しないなど、大変な日々を過ごされてきている。
しかし、メールには、こう書かれていた。
楽器のケースを開けたり、音楽を聴いたりする余裕がない状況下で、給水を2時間待つ間、住民総出で液状化の土砂のかたづけをしている時、頭の中に常に鳴っていた音楽は、モーツァルトの五重奏、そしてクラリネット協奏曲だった、と。
Yさんの提案は、オケとしての本番中止はやむを得ないが、「こういう時に元気を出す手段の一つとして目標が欲しい」というものだ。
具体的にいつどこで、とはわからないが、いつか発表する場を持つことを前提に、合宿の時のメンバーで集まって、五重奏をやりませんか、という話なのだ。
すると、間を置かずに、メンバーから次々に返信が!
もちろん、賛成、やりましょう、喜んで参加します、という内容だった。私も続いた。
あるメンバーからは、別のフルートの団員との間でも、何かやりたい、もし発表の場を作れるなら、浦安市民のためのチャリティにできないか、という話をしているとのこと。
オケとしての練習がストップしても、少人数のアンサンブルなら、練習場所も確保できるだろうし、もしかしたら発表の場も作れるかもしれない。
できれば誰かに聴いてもらいたい、という意見も、地元で被災したメンバーから出ている。
こうした動きがひろがったら、一昨日練習した弦楽四重奏も、その中に合流できるかも。チェロとヴィオラは、クラリネット五重奏とメンバーかぶってるし。
やっぱり、みんな、集まって音を出したいんだ。
やっぱり、みんな、何か手近なところに目標を持ちたいんだ。
そんな気持ちが通じ合ったら、オケ練再開までの間、何かができるかな?
「練習被災者」(笑)たちは、たくましく立ち上がっていくぞ!