時とともに、人の嗜好が変化することがある。
音楽の好みも。
以前も書いたが、私がクラシックを聴き始めた、1970年代は、マーラーとブルックナーが注目され出した頃だった。
これまでの鑑賞歴では、若い頃は、マーラーが好きで、ブルックナーはどちらかと言うと苦手だった。
しかし、その後、ブルックナーも好んで聴くようになり、その分やや遠ざかったマーラーに、昨年あたりからまた戻ってきた感がある。
そのマーラーの中で、ここ3、4ヶ月くらいのことだが、自分でも驚く変化がある。
交響曲第9番ニ長調への気持ちだ。
端的に言うと、苦手だったこの曲が、好きになってきたのだ。
上に書いたが、若い一時期、ブルックナーの音楽を苦手としていたのは、何か、自分の感情にふれてくる、そのふれられ方に、つらいものがあったからだ。
そして、ブルックナーよりはマーラーの方が基本的に好きであり続けている私にとって、この9番というのは、同様に、聴いていてつらいところのある音楽だった。
暗い。深刻。死のイメージ。
気軽に聴こうという気にはとてもなれない音楽。
マーラーの9番は、長く、私にとってそういう音楽だった。
昔、失恋直後に、小澤(征爾)さんが新日フィルを振った演奏会で、マーラーの9番を聴いたことがある。
チケットを入手したのは、まさかそんなこと(失恋)になっているとは思ってもいなかった時だった。
よっぽど聴きに行くのをやめようかと思ったが、せっかく買ったのだからと、自分で自分を鼓舞しながら、会場に足を運んだ。
しかし、やっぱり、聴いててつらかったなあ・・・(笑)。
ところで、一般のクラシックファンにとっては、マーラーのシンフォニーの中で、9番というのは、一、二を争う傑作と評価されていると思う。
そういう作品にシンパシーを感じられない自分。そこに、ギャップを感じ続けてきた。
それが、ここ3、4ヶ月。
ウォークマンで、折にふれては、この9番を聴くようになったのに気がついた。
これには自分でも驚いている。
何故なのか、わからない。
ただ、現時点での、この曲への気持ちを言えば、1楽章にしても4楽章にしても、暗いとか深刻とかでなく、ただ単純に、「美しい音楽」だと感じることができるようになったのを自覚している。
今年の1月、マーラーのシンフォニーを好きな順番に並べてみる、というのをやってみた。
その時は、1位から順に、3番、2番、1番、5番、6番、大地の歌、9番、4番、7番、8番、10番、とした。
9番は7位。
今は違うな。4位。いや、もしかしたら3位かもしれない。
ある曲について、これほどに気持ちが変わるというのは、初めての経験だ。
女性についてだったら、これまで色々あったけどね(爆)。
というわけで、会社帰りの今も、小澤さんとサイトウキネンの録音をウォークマンで聴いているのだった。
※関連の過去記事
マーラーの交響曲とのつきあい
音楽の好みも。
以前も書いたが、私がクラシックを聴き始めた、1970年代は、マーラーとブルックナーが注目され出した頃だった。
これまでの鑑賞歴では、若い頃は、マーラーが好きで、ブルックナーはどちらかと言うと苦手だった。
しかし、その後、ブルックナーも好んで聴くようになり、その分やや遠ざかったマーラーに、昨年あたりからまた戻ってきた感がある。
そのマーラーの中で、ここ3、4ヶ月くらいのことだが、自分でも驚く変化がある。
交響曲第9番ニ長調への気持ちだ。
端的に言うと、苦手だったこの曲が、好きになってきたのだ。
上に書いたが、若い一時期、ブルックナーの音楽を苦手としていたのは、何か、自分の感情にふれてくる、そのふれられ方に、つらいものがあったからだ。
そして、ブルックナーよりはマーラーの方が基本的に好きであり続けている私にとって、この9番というのは、同様に、聴いていてつらいところのある音楽だった。
暗い。深刻。死のイメージ。
気軽に聴こうという気にはとてもなれない音楽。
マーラーの9番は、長く、私にとってそういう音楽だった。
昔、失恋直後に、小澤(征爾)さんが新日フィルを振った演奏会で、マーラーの9番を聴いたことがある。
チケットを入手したのは、まさかそんなこと(失恋)になっているとは思ってもいなかった時だった。
よっぽど聴きに行くのをやめようかと思ったが、せっかく買ったのだからと、自分で自分を鼓舞しながら、会場に足を運んだ。
しかし、やっぱり、聴いててつらかったなあ・・・(笑)。
ところで、一般のクラシックファンにとっては、マーラーのシンフォニーの中で、9番というのは、一、二を争う傑作と評価されていると思う。
そういう作品にシンパシーを感じられない自分。そこに、ギャップを感じ続けてきた。
それが、ここ3、4ヶ月。
ウォークマンで、折にふれては、この9番を聴くようになったのに気がついた。
これには自分でも驚いている。
何故なのか、わからない。
ただ、現時点での、この曲への気持ちを言えば、1楽章にしても4楽章にしても、暗いとか深刻とかでなく、ただ単純に、「美しい音楽」だと感じることができるようになったのを自覚している。
今年の1月、マーラーのシンフォニーを好きな順番に並べてみる、というのをやってみた。
その時は、1位から順に、3番、2番、1番、5番、6番、大地の歌、9番、4番、7番、8番、10番、とした。
9番は7位。
今は違うな。4位。いや、もしかしたら3位かもしれない。
ある曲について、これほどに気持ちが変わるというのは、初めての経験だ。
女性についてだったら、これまで色々あったけどね(爆)。
というわけで、会社帰りの今も、小澤さんとサイトウキネンの録音をウォークマンで聴いているのだった。
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マーラーの交響曲とのつきあい