いつも、演奏会の本番が終わった後には、興奮と余韻が長く残る。達成感、そして喪失感。
たいてい、本番翌週は、本番で演奏した曲を、通勤時に繰り返し聴くことになる。
本番までは、音楽になじむため、あるいはイメージトレーニングのために、練習中の曲を聴くが、もはやその必要がなくなっていても、別の意味で、演奏し終わった曲を聴かずにいられない。
次の演奏会に向けた練習が始まるのだから、次の曲を聴けばいいようなものだが、なかなか新しい曲モードにならない。
とりわけ、今回は、「チャイ4ロス」とも言うべき状態にある。
最初はイヤでたまらなかったチャイ4だが、途中からやり甲斐を感じるようになった。
これまで弾いた中で一番の難曲だったし、本番でも充分に弾けた訳ではない。
しかし、もうあの1楽章のややこしい音符を弾くことはないのだ、2楽章の絶妙な木管が後ろから聞こえてくることはないのだ、3楽章の指先が痛くなるピツィカートを弾(はじ)くことはないのだ、4楽章はどーでもいいけど(笑)、と思うにつけ、いつもの演奏会後にもまして、寂しく感じられる。
今週は、通勤時に、チャイ4を8回聴いた。他の曲も少し聴いたが、ほぼチャイ4ばっかり。
また弾きたいなあ、チャイ4。←あんなにイヤだったのに(笑)