12月26日(土)、初めての福岡サンパレス。
入口近くに記入台があり、チケットの半券に連絡先を記入してから並ぶ。最近では当たり前になった方式だ。写真の正面がホテル棟。
入場。
貼り出された座席図。前方はぎっしりと埋まるが、16列から後ろは市松模様形式。
我々の席は、1階3列42・43番。上手側端の方だがかぶりつきという席だった。
今回は、新型コロナウイルス対応のため、葉加瀬名物のグッズ売場がない。これは衝撃的なことだ。CD売場だけが設置されていた。
入場時にもらったセットリストとバンドメンバー。
3列目だと、さすがに個々のプレーヤーがよく見えて楽しめる。上手の我々の席からだと、ギター、ベース、ドラムス、パーカッションの4人。
ギターは、目の前の天野清継さんと、下手端の田中義人さんの分担がよくわかる。
バンドの中で、ベースの方だけが、ミュージシャンらしからぬ風貌。バンドマンというよりは、大企業の役員といった感じ。服装はもちろんラフなものだが、何となく、本職は会社の役員ですが、休日の楽しみは同世代の仲間とのバンド活動です、という人みたいに見える。
曲間のMCから。
・2020年は、デビュー30周年だが、春に予定していたオーケストラとのツアー、5月に予定していた「福岡音楽祭 音恵~ONKEI~2020」を中止とした。
・4、5月は家にこもって作曲をして、今回のアルバム「FRONTIERS」を制作した。そのアルバムを持ってのツアーは44公演を予定したが、今日の福岡が43公演目。
・九州は気持ちよく弾ける。東京は嫌い。
・演奏活動をとりやめているアーティストが多い中、ツアーを行うかどうかは大変悩んだが、現状において一歩でも前に進んで形を作ってみたいとの思いで、感染予防を徹底した上で行うことに決めた。
・今回のステージは、80年代の音楽要素を前面に出したものにした。
・感染予防の観点から、グッズの販売や終演後の握手会は取りやめた。
・「情熱大陸」はもちろん後でやるが、いつもの「はかせんす」をみんなで振るのは禁止とした。
と言いつつ、第1部の終盤では恒例のグッズ紹介コーナーがあった。場内では売っていないが、ネット上で販売している、と。
いつもなら、休憩時に是非買ってくれという話になるところだが、そこがせつない。
それに代わる休憩時の宿題として、最近開設したYouTubeチャンネルの登録と、そこにアップしてある動画の再生回数増加を是非お願いしたい、という話があった。
https://www.youtube.com/channel/UCp9UiMjQzZG1TBPCZvCuvLg
休憩時にその通り実行。
ところで、演奏を聴いていて、今回に限ったことではないが、また葉加瀬さんのコンサートに限ったことでもないが、こういうタイプの音楽の「編曲」というのは、具体的にどういう行為(作業)なんだろう、と思った。
クラシックのように、演奏すべき音符のすべてがスコアとして書かれるということはなさそうに思う。コードネームやリズムの基本を決めて、そこから合わせながら発展させていくのだろうか。
(その昔、NHK教育テレビの「若い広場」で放映された、オフコースの「over」の制作過程ドキュメントはそんな感じだった)
ただコードやリズムの基本と言っても、この日に演奏されたどのナンバーも複雑だ。決まりごととしては、何かに書き留めたものを共有するんだろうか。
あるいは細かいところでは、あるフレーズを葉加瀬さんのヴァイオリンと柏木(広樹)さんのチェロが一緒に弾くとか、ヴァイオリンとギター、あるいはフルートとチェロが同じことを弾くとかのパート割りもある。
そうしたことを、どう決めているんだろう。音楽監督である羽毛田(丈史)さんが決めるのか、葉加瀬さんとバンド全員で決めていくのか。決める、と言っても、あるところ以上の細かいところはそれぞれのメンバーにまかされるということなのか。
それやこれや、つまり、大きく言うと、「楽譜への落とし方」がどうか、それをどう決めているのか、の2つだ。
葉加瀬さんの場合と、小田さんの場合とでは、やり方が違うのだろう。小田さんのライブだと、弦のメンバーの前には譜面台が置かれている。
第2部のMCでは、バンドの平均年齢が普段より高いとの話が出た。主に上手側の4人による、と。上手側のリズム隊は、普段だと若手だが、今回は30周年ということで、かつてお世話になった先輩方に入ってもらったそうだ。音楽監督の羽毛田さんも還暦。
終盤のメンバー紹介では、一人一人の年齢が添えられた。最年長は天野さん64歳、最年少は田中さん47歳、平均年齢56.4歳。
本編最後の「情熱大陸」では、客席に起立を促したものの、予告通り「はかせんす」はなし。
アンコールは「エトピリカ」1曲。普段と違うアレンジだったように思う。
上質な音楽を聴いた、という印象はいつも通りだった。また、これもいつものことだが、葉加瀬太郎という人のステージマナーは実に堂々としたもので、生粋の舞台人なのだと思わされる。
休憩を除く正味の演奏時間は2時間くらいだった。
MCで話題になった、羽毛田さんの新しいアルバムがほしくなったので、CD売場に並んだ。
①は完売?