naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

mixi「小田さん、歌やめないで!!」に投稿

mixiのコミュニティに「小田和正」というのが、まあ当然なのだが、ある。

そのコミュニティに参加しているのだが、「小田さん、歌やめないで!!」というトピックが立っている。

小田さんも今年は59歳になる。
先日、NHKの「にんげんドキュメント」が、小田さんをとりあげていた。
それをきっかけに、小田さんはもう歌うのをやめるのではないか、いやそうではない、という議論が、このトピックで盛んに行われている。

私も今日、一言コメントさせてもらった。
記録の意味もあって、以下に貼り付けておくことにした。




(ここから)
79年8月の田園コロシアム以来、ライブを聴き続けてきました。
オフコース時代(特に5人時代)のライブを覚えている者としては、最近の小田さんのステージは、変わったなあと思います。
overのツアーなんて、ほとんどしゃべりませんでしたものね。
「またたく星に願いを」で飛びはねながら手をふる小田さんは、あの頃とは別の人間では(笑)なんて思います。

ところで、そんなかつての小田さんのイメージから、思うような声が出なくなれば、潔くスパッとやめるのではないか、と私はひところまで思っていました。
でも、最近は、違うのではないかと思うようになりました。

そもそも、国内外を問わず、ポップス、ロック系のアーティストというのは、歳をとって引退するという局面を、これまでの歴史ではまだ経験していないように思うのです。
ローリングストーンズもいまだ現役で演奏活動しているようですし、ポール・マッカートニーも還暦過ぎてなお活動中です。
プレスリージョン・レノンは若くして亡くなりましたが、彼らの世代は、まだ年齢の限界というものに直面しておらず、それはこれからそのジャンルの音楽史が初めて経験するものだと思うのです。

そのことは、日本のポップスも同じですから、同世代の吉田拓郎谷村新司矢沢永吉井上陽水も、みなこれからそういう場面を迎えることになります。

この意味では、おそらく小田さんは、同世代のアーティストたちが頑張っている間は、負けないぞ、と思って、頑張り続けるのではないか、と思います。

もう一つ、先日のNHKの「にんげんドキュメント」を見ていて思ったのは、小田さんが、ミュージシャンでない、同世代の友だちや、オーディエンスに対するエールとしても音楽をやっていることです。
この意味からしても、同世代のみんなが、企業その他で活躍している内は、小田さんは音楽をやめないのではないか、と思います。

昨年のツアーに行ってみると、確かに、歌詞を間違えたり、忘れたり、声の出が今一つだったり、と、つまり、純粋に演奏の出来から見れば、昔に比べるとキズは出てきているなと感じました。
それは、昔の小田さんであれば、自分自身許せないことだったかもしれません。そんな美学をかつての小田さんには感じていました。
しかし、歳をとる、ということは、どんな仕事であっても、また生活上も、色々ガタが出てくるということでもあります(私も50歳に到達し、自分自身それは感じます)。
推測ですが、小田さんご自身は、そういうこともひっくるめて、今の素の自分をさらけ出していくことを、決して恥じる気持ちがないように思います。
同世代のお前たちも頑張っているなら、俺も色々ボロボロになってきているけど、頑張るよ、という意味で、敢えて言えば、小田さんは「老醜」をさらしながらでも、ステージに上がり続けるのではないか、という気がするのです。

あの番組で、例えば「キラキラ」の高音はリハでは温存し、本番で出す、というやり方をしているのを知ったり、楽屋で吸入をしているのを見たりして、むしろ、すぐ後ろを追う世代である私は安心もし、嬉しくもなりました。
小田さんでもこうなんだ、と。それでも頑張っているんだ、と。

もう極めるものは極めつくしたとも言えるアーティストが、多少のキズが出てきながらもやっているところに、とても意義があるのではないでしょうか。
小田さんに限らず、同世代の他のアーティストの「歳のとり方」と、そしてやがて迎える「終わり方」を、尊敬をもって見守りたいものです。

小田さんの場合は、かりにステージやアルバム制作をやめても、他アーティストへの楽曲の提供、映画監督、テレビ番組制作など、できると思います。
プロ野球選手が現役引退後、コーチや監督としての活躍を見るのが楽しみであるように、小田さんの「第二の人生」も、更に楽しみではありますね。
(以上)