９月場所７日目

昨日の１横綱５大関の総崩れ、報道を見たら、やはり史上初だった。

魁皇が休場。引退ではないのか？という感がある。
まだやれるという気持ちがあるということなのだろうが、今場所昨日までの相撲を見ると、そうは思えない。
あるいは、11月場所、地元福岡を散り際にするための休場ということなのか。
ともかく、来場所、ご当地のファンの前で、どのような相撲を見せてくれるか。

豊真将は、琉鵬に立ち合いちょっと押し込まれたが、いつもの低い体勢でよくしのぎ、あとは今場所心境著しい攻めの姿勢。よく前に出ての快勝。

垣添が、過去８勝２敗と分のいい十文字にいい突きを見せた。

豪風は、いい突き押しで攻めた。琴奨菊がよくしのいでつかまえ、二本を差して寄った。
これを豪風が右からの首凪げ。
決まったかと思ったが、琴奨菊も粘って微妙な土俵際。
豪風が僅かに有利と見たが、軍配は琴奨菊。しかも物言いもつかなかった。
これは疑問。少なくとも物言いはつくべき相撲で、取り直しが妥当だろう。

普天王が立ち合いいい右前まわしをとり、左四つのいい形で、高見盛を攻めたてた。
左四つでもとれる高見盛とはいえ、これだけ相手充分で自分は右も左もまわしに手がかからない状態では残せない。

ただ一人全勝の安馬は、大きい岩木山との対戦。
前哨戦は安馬がいい突きで、いい位置の右前まわしをとり、頭もつける形で食いついた。
しかし、ここからの攻めがあまりにまとも。
投げで崩せばいいものを、前に出て決めようとしきりに寄って出たことで、最後は岩木山の圧力につぶれた。
全勝がまだまだ続くことは期待しづらかったので、負けたこと自体は仕方がないが、相撲内容には考えるべき要素があった。
それ以上に、足の指を傷めたということだが、明日以降が心配される。
しかし、自分の相撲をちゃんと持って、それに毎日徹底している点では、今場所の白鵬は見習うべきだ。

安美錦連日の外掛けで旭天鵬を下した。
立ち合いからの攻防でうまく二本入った。別の見方をすれば、旭天鵬がちょっとよくない。

露鵬に玉春日は、今場所の調子の差が出た一方的な相撲。
露鵬は左前まわしをとりにいったが、流れで左四つ。
得意の右四つではなかったが、構わずどんどん前に出ての快勝となった。
やはり、露鵬は一つ進歩している。

昨日最高の相撲をとった稀勢の里だが、今日は雅山がものすごい当たりを見せた。
互いに頭で当たり合ったが、いっぺんに稀勢の里の状態が上がり、ひとたまりもなく倒れた。
はずみという要素もあるが、雅山としては、立ち直りのきっかけになりうる相撲だった。

早くも２敗を喫した白鵬と琴光喜は、相四つだけに、白鵬としても五分以上にはとれると思ったが、結果は敗れて３敗目となった。
立ち合い、白鵬は左前まわしに手がかかった。
変わり気味でもなく、肩越しのとり方でもなく、今場所の立ち合いとしては、一番よかった。
しかし、琴光喜も星が上がっているだけに、そうはいかんという対応。
一瞬手がかかった左前まわしはすぐに切られ、その後の攻防の中で、琴光喜が左上手をとるが早いか、いいタイミングで出し投げ。
これで白鵬は土俵を飛び出した。
白鵬としては、立ち合いは今場所一番だったが、それを生かせずに終わった。
それにしても、白鵬のこの崩れ方をどう考えたらいいのか・・・。
少なくとも、場所後の横綱はなくなった。先場所より状態も状況も悪い。
やはり３場所で大関を通過した、北の湖、千代の富士、朝青龍はすごいということなのか。
白鵬には並び立ってほしかったが。

栃東が本来の巧さを見せて黒海を圧倒。
低く当たって、常に相手より先に動いて、左からのおっつけから上手をとり、出し投げで崩した。
膝もよくなっているのだろうが、黒海も足を傷めたようで、ちょっと力強さが感じられない土俵だった。

琴欧州もいい相撲。
時天空と立ち合いから突き合いになったが、早く左上手をつかむことができた。充分の右四つでいい形。
やはり足の故障もよくなり、調子がいいのだろう。
時天空もしばらくはもちこたえたが、最後は琴欧州が左からの強烈な上手投げで決めた。
今場所に関しては、白鵬よりも琴欧州に期待できる状況だけに、頑張ってもらいたい。

千代大海は、立ち合い左に動く形で、出島の出足をかわしにいった。
出島が対応できず、千代大海としては作戦通りの相撲になった。
ほめたくはないが。

やっと実現した感のある朝青龍に把瑠都の対戦。
立ち上がる前の見方としては、引っ張り込んで両まわしをつかんで抱き込む形になれば、あるいは把瑠都、しかし、横綱がそういう形にさせるかどうか、というものだった。
立ってからの相撲はまったく一方的。
立ち合いからの速さ、攻めの強さ。
やはり厳しさが段違いだと改めて痛感させられてしまった。
横綱のスピードに尽きる。
横綱としては、昨日、稀勢の里に敗れたことで、今日は引き締めてきた感じがある。
案外、昨日５大関総崩れの中、自分一人が買っていたら、今日の把瑠都には負けていたかもしれない。
相撲というのはそういうところがある。

昨日敗れた横綱大関陣。白鵬一人が心配だが、他の横綱大関は、昨日の敗戦が嘘のようないい相撲ばかりだった。
明日以降がまた楽しみだ。