naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

いい言葉~アラン「幸福論」

2日(土)、「プロ弁護士の思考術」(矢部正秋著、PHP新書)を読み終えた。
ものの考え方や、話し方の本を好んで読むのだが、この本も大変参考になった。

2日に読んだ最後の方に、非常に心に残る文章が書かれていたので、紹介する。

全7章中の最後、「第7章 今日の実りを未来の庭に植える-遠くを見る」の中、「4.もう一人の自分を意識する-高所から見る」の中の記述。
フランスの哲学者、アランの著書「幸福論」からの引用である。

  憂鬱な人に言いたいことはただ一つ。「遠くをごらんなさい」。
  憂鬱な人はほとんどみんな、読みすぎなのだ。人間の眼はこ
  んな近距離を長く見られるようには出来ていないのだ。広々
  とした空間に目を向けてこそ人間の眼はやすらぐのである。
  夜空の星や水平線をながめている時、眼はまったくくつろぎ
  を得ている。眼がくつろぎを得る時、思考は自由となり、歩
  調はいちだんと落ち着いてくる。全身の緊張がほぐれて、腹
  の底まで柔らかくなる。自分の力で柔らかくしようとしても
  だめなのだ。君の意志が君の中にあって、君に対して注意を
  払い、すべてをあらぬ方へ引っ張り、しまいには自分の首を
  しめてしまう。自分のことなど考えるな、遠くを見るがいい。

パソコンのディスプレイばかり見ている自分をふりかえった。