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「再犯」は言い過ぎだろう~朝青龍のガッツポーズ

白鵬との優勝決定戦に勝った朝青龍が、土俵上で両手を高く挙げた件。

あ、またやっちゃったよ、と思いながら観ていた。

今日28日(月)の横綱審議委員会で、高砂親方が謝罪したそうだ。

例によって、内館委員は、さんざんな言い方をしていた一方、委員の中には、擁護の意見もあったらしい。

私は、今回の優勝決定戦、本割での圧勝を観て、俄然、白鵬の逆転優勝はありうるという気持ちになっていたし、北の富士さんと同じ意味で、ここまできたら、白鵬が優勝すべきだと思っていた。

だから、勝負の結果については、個人的には残念だったが、朝青龍のガッツポーズについては、今回も、どちらかと言えば擁護の立場だ。

問題になっている、勝負の後、立ち上がって土俵を下りる時のバンザイポーズ自体は、私も積極的に認める気持ちにはなれないが、私が言いたいのは、その前だ。

右からのすくい投げが決まって、朝青龍自身も土俵に転がった時に、朝青龍は右腕でガッツポーズをとった。

あの、勝負の決まった瞬間の、朝青龍の「やったぞ!」という表情と、ガッツポーズ。
ああ、よほど嬉しいんだな、と思ったし、本割の惨敗の悔しさを受けて、この決定戦、本当に必死だったんだな、と思った。

だから、その後のバンザイについても、もう、気持ちを抑えきれずに出てしまったんだろう、と、消極的にではあるが、容認できる。

稽古不足、粗暴な勝負の決め方等、今場所の朝青龍に対して、あれこれ言いたいことがあるのは、私も同じなのだが、あの瞬間に限って言えば、勝負に賭けた男の心情が、強く伝わってきた。

これは、実際に戦った者でなければわからないものがあるのではないか。

それを、いかに横綱審議委員と言えども、実際に相撲をとったことがない者が、あれこれ言っていいのか。
真剣勝負をしたのは、両力士だ。それに敬意を払い、尊ぶ気持ちは、絶対に必要だと思う。
あの決定戦の相撲自体は、とてもいい相撲だったではないか。そう思わないのか?

横審に対しては、このくらいにしておくが、この件を伝える報道の見出しに、「再犯」という言葉が目についたことは、いささか捨て置けない気がする。

同じことを前にやって、たたかれたのに、またやった、と言いたいのだろうが、「再犯」はないだろう。

朝青龍が、「悪事」を働いたのか?
「犯罪」を犯したのか?

これも、横綱に対して、いや、それを別にしても、長く歴史に残るであろう名勝負を見せてくれた力士に対して、失礼きわまりないことではないか。

マスコミとして、そういう報道姿勢でいいのか?

あの2番の相撲から、何も感じることができなかった、と言っているに等しい。
感じていたら、「再犯」などと言う言葉を使うことははばかられたはずだ。

※関連の過去記事
    朝青龍のガッツポーズは何故問題にされたのか
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/58248559.html
    朝青龍のガッツポーズ批判再考
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/58281954.html