naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

逃走者と缶ビール

もう一つ、今日のニュース。

広島刑務所を脱獄した受刑者が捕まった件。
(相撲中継の最中に飛び込んできて、30分以上相撲が観られなかった)

逃亡した受刑者が、民家に空き巣に入った、そして、その家で飲食をした形跡がある、という話は聞いていた。

肌着の上下で逃走したわけだし、この冬、まずは着るものがほしいだろうし、食べるもの、そして逃走資金だ。

遠からずどこかに盗みに入る可能性はあると思っていたので、空き巣の話には、やはり起きたか、と思った。

侵入されたお宅の住人にとっては、気味の悪いことで本当にお気の毒だ。
(しかし、空き巣でまだ幸いだったとも言える。在宅であれば、危害を加えられたり人質にされたり、ということもあったかもしれない)

相撲中継を中断しての、受刑者確保のニュースの中で、関心をそそられたのが、彼が「缶ビールを飲んだ」という話。

その空き缶についたDNAが、捜査の手がかりになったらしい。

関心をそそられたのは、自分がビール好きだから、ではなく、何か違和感があったからだ。

逃走中の受刑者としては、前記の通り、まずは衣類、そして食べ物など、いわば最低限のものを手にするのが何より優先のはず。

しかし、ビールとは・・・、という違和感だ。

つまり、「がまんできなかった」んだろうな、と、個人的には思った。

以下は推測。

衣類を物色し、食べるものを物色し、冷蔵庫を開けたら、缶ビールが冷えていた。

長い刑務所暮らしの中では当然口にできるはずもないアルコール。

逃走中の身であることを、一瞬忘れさせるものがあったのだろう。

今しがた、別のニュース番組で言っていたが、缶ビールを、しかも数本空けていたそうだ。

今にも、その家の住人、あるいは警察官が来るかもしれない、という状況下で、もう1本、あと1本、と、内心葛藤しながら飲み重ねていたのだろうか。

脱走が公になってから、近隣の住民、特に子供を持つ親御さんには、多大な不安があっただろう。

捕まって本当によかった。

刑務所としては失態という他はない事件だったが、このようなことが二度とないように望む。