「CD」というと、一般にはコンパクト・ディスクを指すだろうが、それ以前には、銀行の現金自動支払機(今で言うATM)がCD(cash dispenser)、また、譲渡性預金(certificate of deposit)のこともCDと言っていた。
個人的には、コンパクト・ディスクは、「3つ目のCD」だった。
実家にステレオセット(レコード・プレーヤーと、チューナーとスピーカー)が置かれたのは、私が中学の頃だっただろうか。1960年代の終わり頃?
私のレコード鑑賞歴は、その頃から始まる。
「針を使わないレコード」が、いずれ実用化されるだろう、という話を知ったのは、何かのテレビ番組だったと思う。
私は高校くらいだったか。とすれば、70年代前半だ。
私は高校くらいだったか。とすれば、70年代前半だ。
歳月を経て1982年、コンパクト・ディスクは商品化された。あの時テレビで観たものが、現実になったのだ、と思った(ような気がする)。
しかし、当初のコンパクト・ディスクは、まずプレーヤーがバカ高かったし、ディスク自体も高かった。
グラモフォンから出た、カラヤンの旧譜がCD化されたものなどが、1枚4,200円もしたのをおぼえている。
当時のLPレコードは、新譜で2,800円が普通だったから、あまりにも高価だった。
今、私はブルーレイ・ディスクにまだ手が出ないでいるが、これも似たようなものだ。
昔から今に至るまで、オーディオ的な分野には関心が低いので、それまでのアナログレコードに比べて、ずっと音が良いのだ、と言われても、そのことに格別の魅力は感じなかった。
第一、独身寮の6畳間に住んでいたのだし。
第一、独身寮の6畳間に住んでいたのだし。
ということで、コンパクト・ディスクには手を出さずにいたが、その後、現場事務所の宿舎住まいを経て、1985年、所帯を持ってマンション住まいになったのを機に、さすがにそろそろ、と思って、それなりに安くなっていたプレーヤーを買った。
一般のレコードファンに比べると、遅かったかもしれない。
しばらくして、8センチのCDシングルが商品化されたが、プレーヤーのトレイが8センチのディスクに対応しておらず、しばらくの間は、別売のアダプターに載せてトレイに装着したものだ。
その後、シングルも、当初「マキシ・シングル」と称していた12センチのものにシフトした。
コンパクト・ディスクは、82年の商品化から、今年でちょうど30年になる。
(82年というと、話はそれるが、「笑っていいとも」が始まった年だ。そして、中森明菜、小泉今日子などの、歌謡界「花の82年組」)
(82年というと、話はそれるが、「笑っていいとも」が始まった年だ。そして、中森明菜、小泉今日子などの、歌謡界「花の82年組」)
コンパクト・ディスクも、ほぼ同じくらいの期間が経過する。
商品のライフサイクルからして、そろそろ、新たなフォーマットのメディアが登場するのだろうか。
昨今は、ディスク、という「モノ」ではなく、配信、ダウンロードの形で、音楽ソフトが供給されている。
ディスクのセールスも、AKB48がミリオンセラーを連発しているのは例外で、基本的には縮小していると聞く。
そのことからすると、新たなハード、メディアの開発は、ビジネスとして難しいのかもしれない。
最後に。
私は、「CD」という呼び方は、何か無機的かつ安っぽい感じがして好きではない。言葉で言う時も、文字に書く時も使いたくない。
さらに言うと、「コンパクト・ディスク」という呼び方にも、既に30年の歴史があるのは知りつつ、なじめない。
個人的には、やっぱり「レコード」と呼びたい。
一般的には、アナログレコードのことを「レコード」と言って、「CD」とは区別するようだが、私としては、SPであれ、アナログレコードであれ、コンパクト・ディスクであれ、音楽が録音されたメディアは、「レコード」と総称したい。
その意味で、「レコード芸術」が、今もって誌名を変更しないでいてくれることには、本当に我が意を得た思いでいる。
※レコードは「物価の優等生」だねえ、という過去記事
どちらも2,100円!~ベートーヴェンの交響曲全集
http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/61912907.html
どちらも2,100円!~ベートーヴェンの交響曲全集
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