22日(火)、亀渕友香&The Voices of Japan(VOJA)の、ゴスペル・コンサートに行ってきた。
会場は、上野の東京文化会館。
20代前半から、このホールには何度も足を運んでいるが、クラシック以外のコンサートを聴くのは、たぶん初めてだ。
来ることになったのは、新聞の折り込みチラシが発端。配達してくれる販売所の折り込みチラシに、このコンサートのことが載っていた。私は気がつかなかったのだが、妻が見つけて行きたいと言うので、販売所に電話して、チケットを入手した。
受付でもらったプログラム冊子。
こちらは、コンサートのチラシの裏面。
我々の席は、3階1列21番、22番。舞台に向かってやや右寄りの最前列。いい席だった。
19:05開演。
緞帳が開くと、大勢の人がステージに立っていて、おーっ、と思った。
この日の出演者は、亀渕友香さんが主宰するVOJAを始めとして、そのOBOGのグループ、Voice Art College、東京労音、カワイミュージックスクール、読売・日本テレビ文化センター町屋、Breast Cancer Survivor’s Chorus、軽井沢高原教会クワイアと、多くの団体。
おそらく、幕開けは、その全員がステージにいたのだろう。子供の姿も見えた。
ミュージシャンは、4人。下手側から、ピアノ、エレクトリック・ベース、キーボード、ドラムス。
プログラム冊子に載っていたセットリスト。
私は、ゴスペルというものについての知識はほとんどなく、生で聴くのは初めてだ。
何曲か聴いて感じたのは、基本的にパワフルな音楽であること。
身体を揺すらせ、踊りながら、手拍子を打ちながら、力強い声を重ねていく。
手拍子が常に後打ちなのは、様式の一つなのだろう。
パワフルであり、また楽しさが伝わってくる。
出演の各団体が、入れ替わりながらステージは進行。
その合間合間に、亀渕さんも登場して、ソロで、あるいはコーラスと一緒に歌う。
MCも。
「クリスマスは、祝福の日である」。
亀渕さんは、今年71歳になるそうだが、宮さんは91歳!
亀渕さんの歌、そしてMCには、人生の蓄積からくる力強さを感じた。
私は、オーケストラ音楽が好きだし、特に、弦楽器の音が好きだ。しかし、このコンサートを聴いていて、「人間の声」というものには、楽器が発する音とはまた次元の異なる力があると感じさせられた。
このコーラスには、オペラの合唱など、クラシックの声楽よりも、伝わってくるものの強さを感じる場面が少なくなかった。
終盤でのMC。VOJAは、発足して25年になるのだそうだ。東京文化会館での演奏は、13回目とのこと。亀渕さんは、このホールのことを、「音楽の殿堂」と何度も言っていたが、ここで演奏することには、特別な思いがあるように感じられた。
私は、この日の演奏を聴いていて、これだけの人数で、これだけの曲数を、全員が暗譜で歌っていることに驚愕し続けていた。
この終盤のMCで知ったのだが、VOJAの練習は週3回。曲は、楽譜を使わずにまず耳で覚えるのだそうだ。その後に、楽譜を見て確かめるのだ、と。
クラシックの楽曲修得とはまったく異なるやり方だ。
また、音楽をやっていて、辛いことや苦しいことがあっても、メンバーが人の助けを得るのでなく、自分自身の力(force)で立ち上がらなければならない、とも言われていた。
そうした過程があって、最初に感じた、ゴスペル音楽のパワフルさがあるのだ、と得心が行った。
本編の最後は、「Joy To The World(もろ人こぞりて)」。
この日聴いたすべてのナンバーの中で、これが私には一番。アレンジも歌も本当に完璧無類だった。
最後に、「Holy Night(聖しこの夜)」を、客席と一緒に歌って終演。
その後に、丁寧なメンバー紹介があった。ほとんどすべてのメンバーが紹介された。
21:04、終演。
仕事が忙しく、疲れていたが、来てよかった、と心から思えるコンサートだった。力をもらった。