naokichiオムニバス

67歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

3月場所各力士寸評

3月場所も残り2日。昨日は、新横綱稀勢の里が初黒星に加えての負傷。「一寸先は闇」という言葉を思い出した。

優勝は、これで照ノ富士にほぼ決まりだろう。場所前誰が予想しただろうか。

各力士について、感ずるところを簡単に。


初日から、まったく白鵬らしからぬ相撲内容だったが、あっさり休場。相撲ぶりが怪我のせいだとすれば、それ自体は理解できるが、今後が心配だ。

過去の大横綱の晩年は、例外なく、「休場の増加」が現象として現れる。これまで丈夫で休場がほとんどなかった白鵬にも、とうとうそういう時期が訪れたか、と思う。

2020年、東京オリンピックまでの現役はまず難しいだろうし、それどころか、魁皇の1,047勝を抜くことさえどうか、と心配になる。


またまた今場所も、引く癖が出てしまっている。突きにはいいものがあると思うが、突き切って勝つタイプではない。突いておいて、どこかで前まわしをとって有利に組むのがベストだと思うのだが、それができていない。

3回優勝しているものの、基本的には、この人は大関レベルの成績にとどまっていると言わざるを得ない。ワンチャンスをものにして昇進したものの、横綱らしい強さを常に発揮できているとは言いがたい。「調子のいい時には優勝もできる大関」と評価すべきか。怪我等体調面での事情を抱えているのかもしれないが、それを別にすれば。


鶴竜に比べれば、横綱としては合格点をつけられる力士だと思う。白鵬が常に一緒にいるので、どうしても見劣るし、不振な場所も少なくないが、やはり強い、と思わせる相撲もとれるので、横綱の資格はありと評価してよいと思う。

ここ2日の、髙安戦、稀勢の里戦は、値打ちのある相撲だった。厳しく、スピードもあり、さすが日馬富士、という相撲。

それだけに、下位に喫した3敗が、結果的には悔やまれる。とは言え、序盤の相撲は、まったく相撲勘が戻っていない感じで、千秋楽まで持たないのでは、とさえ予想した。よくまあここまで勘を戻してきた、と評価するのが妥当だろう。


横綱に上がって、相撲ぶり自体、技術面を見ると、以前と変わったところはない。相変わらず、四つ身の相撲の運び方はよくないし、苦戦する相撲、逆転で勝つ相撲も少なくない。

ただ、これまでなら慌ててばたばたして負けていたであろう展開を落とさないことや、優勝争いの単独トップにいても、特に変わらぬ土俵ぶりでいたことは、昇進効果か、と見ていた。

負けられない地位である横綱になったことが、マイナスには働かず、むしろ粘れる相撲がとれるようになったか、と。

今場所は、白鵬の休場、鶴竜日馬富士の不調もあり、この展開なら、連続優勝での横綱初優勝は相当程度確実と思っていたのだが、日馬富士意地の相撲の前に、暗転した。

怪我は事故として割り切るしかないが、相撲そのものを振り返れば、一方的な内容だった。

昇進効果で星を落とさずに粘る相撲が取れていたものの、相撲自体は変わっていないことが、この敗戦に出た、ということか。つまり、対戦成績で劣勢の先輩横綱との対戦で、相手がここぞと集中した相撲を取ってきた時に、対抗できなかった、と。同じ横綱として対峙するなら、それを一蹴するとまでは言わないにせよ、互角の好勝負にならなければいけなかった。完全にスピード負けし、何もできないまま一方的に敗れた展開が、土俵から落ちる時に怪我につながったとも言えるように思う。

今日の出場はまず無理だろうし、強行出場したにせよ、今日明日連敗で12勝止まりだろう。照ノ富士が既に12勝している以上、星の上積みはあるだろうし、優勝は絶望的だ。

横綱としてはよくやった、ともちろん言えるが、問題はこの怪我が、今後どの程度影響するかだ。続報が待たれる。


まさか優勝争いのトップに並ぶことになるとは、誰が予想しただろうか。

昨年1月場所からの成績を振り返れば、
   3勝3敗9休
   8勝7敗
   2勝13敗
   8勝7敗
   4勝11敗
   8勝7敗
   4勝11敗
である。

2場所ごとのカド番をことごとく8勝で辛うじて乗り切り、間の場所では、大関にあるまじき2ケタ敗戦。大関でなかったら、十両に落ちかねない成績だ。

宿痾の膝の影響があるにせよ、2ケタ負ける時の気力のなさが、私には最も腹立たしく感じられた。やる気がないなら、さっさと休場しろ、と言いたくなった。

今場所もどうせ、ぎりぎり勝ち越しで陥落回避が関の山かと思っていたが、髙安戦はともかくとしても、他の相撲の力強さはどうしたことか。特に、ここ2日、遠藤戦、鶴竜戦での、劣勢をはね返しての相撲には目を見張った。勝ちを拾った逆転というよりは、力で挽回してねじ伏せた相撲。

よほど膝の具合が回復したのだろうし、気力も充実しているのだろう。かつて私が高く評価していた照ノ富士の相撲が戻ってきた。

来場所以降がどうかは即断できないが、今場所については、大関として初優勝の可能性は大だ。


先場所までに会得したという、立ち会いの当たりの角度が、今場所はちょっとズレを生じているのか、という印象。しかし、突きがツボにはまればやはり強い。常時三役に定着できるかどうかはわからないが、実力者だ。

髙安

一時は、稀勢の里と同部屋の全勝での決定戦、と言われたが、10連勝の後の3連敗。ツラ相撲となってしまった。

前半戦の相撲は、この人に見たことがなかった破壊力を感じて、これは強い、と大関近しを思ったのだが、ここに来ての崩れは残念だ。格上の横綱2人にまったく通じなかったことで、気力が落ちたのだろうか、昨日も嘉風になすすべもなかった。

上の番付を意識するあまり、一つつまずくと却って負の連鎖に陥ることは、過去の有望力士にもあったことだが、そこをひと皮剥けてもらいたいところだ。気持ちを立て直して、是非12勝まで伸ばしてほしい。


7勝5敗の崖っぷちから、昨日は勝って勝ち越し。大関復帰の可能性は残したが、今場所の相撲ぶりを見ていても、進歩はまったくない。昨日の正代戦のように、ある程度上体を立てた形で押せればいいが、前のめりに押して行って、相手の引き技につんのめる負け方が相次ぐのでは、どうにもならない。仮に大関に復帰できたにせよ、持たないと思う。

今場所序盤、2横綱を破る上々のスタートだったのだから、余裕で2ケタ勝てなければならないところだが、芸のない攻め方で何番も落として、それを帳消しにしてしまった。少なくとも、勢戦、宝富士戦は、勝たねばならなかったところだ。そうすれば、とうに2ケタには乗っていた。

それができないところからは、現時点での琴奨菊には、大関たる地力はないと言わざるを得ない。

御嶽海

がんばっていると思う。その前から騒がれている遠藤よりも早く三役に上がったし、相撲自体も、馬力があって印象に残る相撲が取れる。三役定着は可能な力士だと思う。

正代

私から見ると、立ち会いの上体の高さに尽きる。いくら好素材であっても、あの立ち会いをしている限り、大関は望めない。ただ、部屋では師匠が指摘しているはずで、直らないままここまで来たのだと推測される。ということは、今後も直らないのかもしれない。

遠藤

いまだ怪我の回復がないのかもしれないが、いい相撲も散見されながら、基本的には物足りないとしか言いようがない。

特に、負ける時のもろさが目立つ。もっと足腰の粘りのある人だったと思うのだが、前に落ちる相撲が多すぎる。

その他では、嘉風の相変わらずの持ち味、北勝富士の気合相撲がいい。貴景勝も力をつけてきた。

一方、逸ノ城は、減量をプラスにすることができず、もろさばかりが目につく。結局、この人はこれでただの人になってしまうのだろうか。

ひいきで心配なのは、妙義龍。前頭2ケタの地位で6勝7敗。十両陥落はなさそうだが、この人らしい相撲がまったく見られないのは、さみしい。怪我の影響だろうとは思う。このまま終わってほしくない。

栃煌山は、北の富士さん指摘の通り、星は挙がっているが、内容的に見るべきものはない。

石浦宇良が幕内に顔を揃えたのは、幕の内前半の大きな楽しみだ。石浦が手取り力士のイメージが強いのに対して、宇良の方はもう少しオーソドックスさがあるように思う。小兵という感じは必ずしもない。いずれにしても、この二人が上位で相撲を取ってくれるようになれば、盛り上がるだろう。