7月13日(木)から18日(火)、名古屋→白川郷→金沢→宇奈月温泉という移動ルートで、5泊6日の旅行をしてきた。
(期間中4つの演奏会、その内3つはさだ(まさし)さんがらみ、という旅行だった。それぞれのレポートはいずれ書く予定)
14日(金)、名古屋でさださんのコンサートを聴いてホテルに戻ってから、近くにある「世界の山ちゃん」に飲みに出た。
店内はずいぶん混んでいて、少々躊躇したが、幸い賑やかなテーブル席に背を向ける形でカウンター席に座ることができた。
久しぶりの「幻の手羽先」や馬刺しなどを堪能していると、カウンターの右隣に若い男性2人が座った。
こちらは1人で黙って飲食しているので、自然と隣の2人の会話が耳に入ってくる。
「イイダさん」という人と「オガワさん」という人の話題だった。
当然、彼らがどこの会社に勤めているかは知らないし、「イイダさん」「オガワさん」をめぐる会話の内容も理解しかねるところだったが、しみじみ思ったのは、自分にはこういう話題がもうないんだなあ、ということだった。
会社の者同士で、共通の知り合い、上司だったり同僚だったり後輩だったり、の噂話や、時には悪口を肴にしながら飲む、ということがもうできない立場になったんだ、と。
それは飲み屋に限らない。家で、妻に会社での出来事などを話す材料がもうなくなった、ということでもある。
思えば、N社(京橋)の入社同期であるT、そしてYとの3人での定例飲み会も、このところ、同じ要素で話題が狭まったのを実感しているところだ。
3人とも同じ社屋内で勤務していた頃は、当然に会社の話題が中心だった。その後、私がまず会社を離れて子会社に転籍し、次にYが、さらにTがリタイアする形で推移した。こうした経過をたどる中、N社の社内状況が「共通の話題」である度合いは漸減していった。
最後まで会社勤めをしていた私が退任し、3人ともリタイアの身になってから、初めて先月集まって飲んだ。
いよいよ会社の話題は出ない。出ようがない。
(「昔話」はできる。しかし、今動いている旬の話題はない)
話はもっぱら、各自の家での生活の近況などに終始した。
会社の同期として知り合い、仲良くしてきた3人の飲み会も、新たなステージに入ったな、と実感した。
つまり、完全にプライベートな領域でのつきあいになったんだ、と。
さみしい、ということはない。
ただ、そういうことなんだな、とちょっとしみじみするところはあった。