naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

宇野功芳新刊「モーツァルト奇跡の音楽を聴く」

毎週日曜、オケ練で新浦安に行くと、駅前monaの中にある三省堂、駅ビルアトレの中にある有隣堂には必ず寄り、音楽書籍の棚には必ず足を運ぶようにしている。

音楽書籍が一番充実しているのは、私の行動半径だと、銀座山野楽器であり、ヤマハ銀座店だが、もちろん会社帰りに毎日寄る訳ではない。
ということで、日曜日に行く三省堂有隣堂、決して在庫豊富でない、これらの店で、銀座の専門店でまだ見ていない、思わぬ新刊の音楽書籍に出会うことが時たまある。
そういう時って、結構嬉しい。というか、こんな一般書店でこんな注目すべき本を見つけた、という興奮がある。

最近だと、福島章恭氏(本当は福の字が違うんだけど)の「交響曲CD絶対の名盤」なんかがそうだった。

で、今日も。
オケ練の前にまわった両店で、宇野功芳氏の新刊「モーツァルト奇跡の音楽を聴く」(ブックマン社)を見つけた。

宇野功芳氏は、長年読んできた。著作の数が多い人だからでもあるが、一番冊数を読んできている批評家だ。
必ずしも、自分の好みとぴったり合う訳ではないが、宇野氏の文章はわかりやすいし、伝わってくるものがある。
氏の書いた批評と実際のレコードを聴き合わせてみると、自分が賛同するかどうかは別にして、氏の尺度(ものさし)、氏の価値観はよくわかる。

私は、基本的に批評家の批評というのは、そのように受け止めるべきものと思っている。
極端な話、「この人がけなすものなら、自分の好みに合うだろう」という形でもいいから、その批評家のスタイルを、自分で消化して利用する、ということだ。

そういう意味で、宇野功芳という人は、私にはとても参考になる人だ。
多くの人がそうだろうが、氏のモーツァルトブルックナーの批評は、やはり私のこれまでの鑑賞歴の中ではベースの一つになっている。
また、この人は、演奏だけでなく、作品についても記述する時に、いつも読み手に、その作品のレコードを出して聴いてみたい、と思わせる文章を書く。
これは宇野氏の文章の大きな特徴である。この点では、吉田秀和氏も共通点があると思う。

今回の新刊は、モーツァルトの主要な作品について、宇野氏が語り下ろしたものだ。
語り下ろし形式の書籍はこれが2作目になる。

長年読んできた者としては、新鮮味のない内容の部分もあるが、最近の新譜についても言及されているし、やはり最新のレファレンスとしては、価値ありだ。

オケ練から帰宅後、ざっと全部をめくってみた。
今後少しずつじっくりと読んでいこうと思う。

「のだめ」14巻も買ったし、今日は豊作だった。