俳優の船越英二さんの訃報に接した。
私の世代としては、何といっても、「時間ですよ」の松の湯のだんなさんとしての印象が強い。
店はおかみさんにまかせ、というより、番台に上がるのも何かにつけてさぼっては、飲みに出かけていた、お気楽なお父さん。
「髪結いの亭主」という言葉があるが、その典型のような役柄だった。
店はおかみさんにまかせ、というより、番台に上がるのも何かにつけてさぼっては、飲みに出かけていた、お気楽なお父さん。
「髪結いの亭主」という言葉があるが、その典型のような役柄だった。
長く放映されたドラマだが、何故か私に強い印象を残したのが、ある回での浅田美代子扮する美代ちゃんとのからみだ。
おかみさんが留守か何かで、美代ちゃんと二人きりで過ごすことになり、「お父さんと一緒にいるみたい」などといった、美代ちゃんの無邪気な言動にまんざらでもなかっただんなさんだが、白髪が服の肩に落ちていると言われ、「取ってよ」と言ったら、帰ってきた答えが、「え、でもちょっと気持ち悪いな」。
この時のカメラワーク(だんなさんのまわりをぐるっとまわるような)と、その後の落ち込んだ顔が私には忘れられない。
しかし、間もなく、変な色気は出すもんじゃないな、と思い直しただんなさんのところに、おかみさんが帰宅し、いつもの平和な生活に戻る、という結末だったと思う。
おかみさんが留守か何かで、美代ちゃんと二人きりで過ごすことになり、「お父さんと一緒にいるみたい」などといった、美代ちゃんの無邪気な言動にまんざらでもなかっただんなさんだが、白髪が服の肩に落ちていると言われ、「取ってよ」と言ったら、帰ってきた答えが、「え、でもちょっと気持ち悪いな」。
この時のカメラワーク(だんなさんのまわりをぐるっとまわるような)と、その後の落ち込んだ顔が私には忘れられない。
しかし、間もなく、変な色気は出すもんじゃないな、と思い直しただんなさんのところに、おかみさんが帰宅し、いつもの平和な生活に戻る、という結末だったと思う。
84歳。
誕生日に亡くなったのだという。ちょっと素敵な話だと感じた。
誕生日に亡くなったのだという。ちょっと素敵な話だと感じた。
合掌。