naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

11月場所ここまで

白鵬の相撲内容がどうも今一つ。
仕切りから立ち上がるまでの表情を見ていると、いつものような、悠然とした平静さがなく、どこかいらだっているような感じを受ける。
一人横綱ということで、優勝しなければ、という気持ちが強すぎるのではないか。
相撲の運びが毎日何かしっくりしていない。4日目の若の里戦は、物言い軍配通りで救われたが、足が返っていたし、取り直しでもおかしくなかった。翌日の北勝力戦は、右四つ充分に組んでからの攻めが妙に遅かった。前日の反省があるからと言えばそれまでだが、どこか「はまっていない」感じがする。
昨日の琴奨菊戦、最後の寄りの形はとてもよかった。このあたりから立て直してほしい。

安馬は、まったく自分らしい相撲がとれていない。大関挑戦の精神的なものもあるかもしれないが、左の膝が痛いのではないか。本来の動きが出ない理由はそのへんにありそうだ。
残り全部勝てばともかく、11勝で3場所通算33勝程度だったら、昇進は見送ってしかるべき内容だ。これまでのところ。

結局、三役では、安美錦が一番内容が光る。自在にとっている、という感じで、見ていて面白い。

豊ノ島も同様に、自分の相撲が存分にとれている。4大関を破りながら、把瑠都にどうしても勝てないのが面白い。

稀勢の里が久々にいい内容。安定感がある。三役復帰に向けて見通しは明るい。
ただ、昨日の琴光喜戦は、突き放しにこだわって脇が空いたのがまずかった。そこにつけいれなかった大関が情けなかったが。

栃煌山はどうしてしまったのか。全然自分の相撲がとれていない。ちょっと深刻な感じだ。私としては、特に期待する若手だけに、この伸び悩みは残念。

十両をあっという間に通過した新入幕の阿覧は、まだまだ相撲を知らないという感じがする。ちょっと期待はずれ。

高見盛が強い!
大関が格下の相手を圧倒するような相撲が見られる。大勝ちが期待される。

休場明けの豊真将が、まだ自分の相撲を取り戻せていない。前に出ようとしているのは評価できるが。
西15枚目と後がないが、思い切ってとって、せめて9番、できれば2ケタは勝ってほしいところだ。

番付順に書いてきたが、途中飛ばした大関4人については、毎度のことながら、言う言葉がない。

強いて、気力が感じられるのは千代大海だが、今の力では、ちょっと骨のある相手には対応しきれない。もう仕方がないが。

両「琴」には、「何やってんだよ」の一言。共通して言えるのは、スムーズに立てない立ち合いの悪さ。琴光喜、何で攻め急ぎの墓穴から学習できないのか。琴欧洲、優勝できたんだから、もっと自信を持ってとればいいのに。

魁皇はまだ現役続行らしいが、やれると言う確信があるんだろうか。あの若の里戦の無惨な内容。自ら転落した土俵下から土俵に上がる時の、まるで老人のようなよたよたとした足取りからすると、ほんとに「いい加減、もう辞めたら」と言いたくなったのだが。

豊ノ島が4大関を総なめにした。
史上11回目のことだそうだ。先場所も、安馬が4大関総なめをやっているのだが、同じメンバーの4大関が、2場所続けて下位力士に総なめにされた事実は、やはり現状を象徴している。
(同じメンバーの4大関が2回総なめにされたケースは、この他には過去1度だけだ。50年初場所、汐ノ海、佐賀ノ花、増位山、千代ノ山の4大関が、同じ場所で、吉葉山鏡里に総なめにされている)

白鵬が1敗しているため、ちょっと目立たなくはなっているが、4人の大関が誰一人優勝争いにからんでいない現状は、本当に憂慮すべきことだ。

その優勝争いは、出島、雅山の、武蔵川部屋の元大関二人が全勝でトップ。
大関とは言え、両力士とも、このまま走れるとは思えないので、ここまでの優勝争いの展開は、何だかなあ、という感じだ。

白鵬が、内容的にびしっと決めてくれていない状況なので、何か締まらない印象がある。
毎日不入りで館内の盛り上がりも伝わってこないし、要するに、ここまでのところは、「つまらない場所」の一言に尽きる。

中盤戦から千秋楽まで、各力士ともがんばって、何とか立て直してほしいものだ。
不入りは、やはり相撲をとるモチベーションにも影響しているのだろうか。