11月場所2日目。目を覆う不入りの中での歴史的一番となった。
64連勝ならず。
それにしても、白鵬の相撲が、信じられないほど悪かった。
初日の栃ノ心戦は、落ち着いた相撲だったのだが、一体どうしたことか。
立ち会いの張り差しもよくなかったし、その後の攻防の中での足腰の構え、足の運びが明らかにおかしかった。
一番の悪手は、左四つになって向正面に攻め込まれたところでの左すくい投げ。
双葉山も、あの安藝ノ海戦で、右からすくい投げを打って墓穴を掘った内容だったことを思い出した。
相撲に乱れが見られた先場所中盤よりも悪い内容だったと思う。
最近の白鵬らしからぬ、平静を欠いた相撲だった。
「あと6つ(あるいは7つ)」の意識からということなのか。
やはり69連勝には届かなかったか、と惜しみつつも、個人的には、双葉山越えを観たかったというよりは、63連勝も充分立派じゃないか、という気持ちが強い。
誰しもいつまでも勝ち続けられるはずはない。いつかどこかで連勝は止まる。
先場所、60の大台に乗せただけでも大したものだという感覚があった。
その点、白鵬はまだ若いので、ケガや病気がなければ、再度のチャレンジも可能かもしれない。
その時には、今回の経験を糧にしてもらいたいものだと思う。
白鵬の3日目以降は、はたして?
しかし、今回の立役者、稀勢の里は、今場所の番付では平幕力士ではあるが、三役経験もあるし、一般には長く大関候補と期待されてきた力士なので、対双葉山の安藝ノ海(その時点での)、対大鵬の戸田と同列には論じられない。
これまで何度も書いてきたように、私は稀勢の里という力士の相撲を評価していない。
左四つの型は確立していないし、基本的に相撲が下手だ。
いつも気合いは充分だが、その割に受けにまわるとねばりがないし、負けた相撲に対する反省や研究も感じられない。
いつも気合いは充分だが、その割に受けにまわるとねばりがないし、負けた相撲に対する反省や研究も感じられない。
いい加減、大関候補と呼ばないでほしいと思っている。
やはり何かを持っている力士であることは、認めざるを得ない、と思った。
それであれば、この歴史的勝ち星をきっかけにして、脱皮してもらいたいものだ。
稀勢の里はどうか。