naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

大丈夫か朝青龍

けさのスポニチによると、朝青龍が、今回の処分のショックで精神安定剤を服用している状況だという。

非常に不安定な精神状態にあり、公の場に出て会見を行うなどはとてもできないと書かれていた。

ちょっと意外な感じを受けた。

だって、朝青龍だよ。

朝青龍の強さは、やはり精神的なずぶとさに支えられたものであり、今は白鵬横綱に並び立ったとはいえ、それまでの大関陣以下との差だったと考えている。
実際、長い間、一人横綱の重責に耐え、数々の記録を作ってきたのは、この力士に、非凡な「気持ちの強さ」があったからだと思う。

それが、メンタル面で大きく揺らいでいるとは・・・。
このこともまた、仮病じゃないの?とかんぐりたくなる。
あの朝青龍が、精神安定剤なんて、ちゃんちゃらおかしい、というのが、正直な印象だ。
これは、非常に失礼な言い方かもしれないが、それだけ、これまで相撲界の屋台骨を支え続けてきた、朝青龍の、相撲の強さ、精神面の強さを評価しているからだと理解していただきたい。

あくまで、報じられた内容について言っているだけなので、真実の状況がどうなのかはわからない。
本当に、今回の処分内容が、私が感じるよりもはるかに朝青龍本人にはこたえたのかもしれない。
第一、サッカー事件の真相だって、明らかではないのだ。

ことの真偽を詮索するのが、ここでの目的ではない。

ただ、心配なのは、朝青龍の今後だ。

私は、先日、このブログで、朝青龍が真摯に今回の処分を受け止めるだろうか、という意味の懸念を書いた。
これまでの不祥事に際しての、朝青龍の対応ぶり(これも報じられている限りの情報からではあるが)からして、ますますふてくされてしまうとか、あるいは、相撲自体に嫌気がさして引退してしまうとか、そんなことがあっては困ると思ったからだ。

しかし、この精神安定剤報道を読むと、別の意味での懸念が出てくる。

2場所の出場停止がとけた来年の1月場所に、先日の優勝で示したような、強い相撲がとれるだろうか、と。

2場所、場所を休むことで、相撲勘が鈍るとか、肉体的にマイナスだとか言われているが、私はそうは思わない。
これまで、ケガで何場所も休んだ後に復活優勝をとげた横綱は何人もいる。柏戸大鵬北勝海・・・。
彼らも、そうしたハンディを乗り越えて優勝したのだ。
同じ条件で、朝青龍にできないことはないはずだ。

ただ、それは、朝青龍に、復活への気力があってのことだろう。

この2場所の謹慎期間中に、朝青龍の気力が戻ってこなかったら。
やはり復帰には厳しいものがあるかもしれない。

こんな形で、主役が白鵬に交代してしまう、というのはやはり面白くない。
やはり、せっかく東西に横綱が揃った今、しばらくは、両横綱の対立時代を見たい。
年齢的には、いずれは朝青龍は下り坂になり、白鵬が第一人者になるだろう。
しかし、それには、先輩横綱が、先の7月場所のように、白鵬の壁になり、それを白鵬が乗り越える、というプロセスがほしい。

こんなつまらぬ問題で、朝青龍が心身をしぼませてしまって、二度と浮かび上がれぬままに、白鵬の時代になっていた、というのは、避けたいストーリーだ。

今、望みたいのは、すぐでなくていいから、朝青龍に会見を開いてもらうことだ。
堂々と出てきて、まずは今回の件の謝罪の言葉を聞きたい。
そして、この処分を真摯に受け止めるという言葉を聞きたい。
さらに、謹慎期間中も稽古に打ち込み、処分が明けた来年は、必ず賜杯を奪還するという決意を聞きたい。

繰り返すが、私は、今回の事件の真相や、そのよしあしについては、言わない。
ただ、今後の相撲界の勢力図が、後々ふりかえった時に、こういう事件で、ゆがんだ形で塗りかわったということであってほしくないのだ。