naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

角界の野球賭博問題

週刊新潮の記事に端を発した、角界野球賭博問題がおおごとになってきた。

朝青龍の引退騒動は、彼個人の所業によるもの。

同様に、これが琴光喜一人の話であれば、失礼ながら、これから大活躍して横綱昇進も望めるという現状ではないのだから、仮に解雇処分になってもやむなしというところだが、ことが賭け事だけに、おそらく彼だけのことではないだろうと予想していた。
現役の力士だけでなく、親方だってやってるんじゃないか、と思った。

そうしたらやはり。

日を追うごとに、次々と名前が出てくる。

大嶽親方、時津風親方。やっぱり親方衆にもいたか。
横綱大鵬の娘婿にして大鵬部屋の後継者。暴行死亡事件で解雇された前親方の後任者として部屋再建中。・・・どちらもイメージ的にはまずいなあ。

豊ノ島豪栄道豊響
みんな期待の若手ではないか。さらにまずいなあ。

報道によれば、床山さんも関与しているという。

このひろがりは、大麻問題どころではなさそうだ。

明日もまた、新たな名前が出てくるのではないだろうか。

賭け事自体は、どこにだってありうる話だ。

私の会社でも、かつては、高校野球の季節になれば、優勝チームを予想するトトカルチョを、事務所や部署単位でやるのが楽しみだった。
あるいは、社内のゴルフコンペでは、必ず「馬券」を作ったりしていたものだ。
これらは、決してそんなに古い時代のことではない。

しかし、コンプライアンスCSRの時代となり、従業員の意識も変わってきた。
今ではもうそうしたことは行われていないと思う。

賭け事を是としたいわけではないが、賭け事にしかない、スリリングな楽しみは、私も経験しており、わかる。

ただ、今回の角界の場合は、問題が大きく二つ。

一つは、賭けられた金額の大きさ。百万円単位の金が動く賭け事は、やはり普通ではない。
そして、それ以上に問題なのが、暴力団とのかかわりだ。

ビールを誰がおごるかを賭けつつ、仲間内で花札をやる、といった程度だったら、何も目くじらを立てることはない、と思うが、常軌を逸した大金が動き、まして暴力団との交際がからんでいるとなると、これはもう次元の違う話になる。

賭け事が仮に合法で、褒められた行為であったとしても、許されない話だ。

考えようによっては、人が一人亡くなった、時津風部屋の力士暴行事件と同じか、もしかしたらそれ以上に重大な問題であると言えないか。

外部委員による委員会も設置されたし、警察も動いている。

もはや、日本相撲協会のガバナンスの問題としてでなく、反社会的勢力の排除の観点から、ここは外部委員、警察の力を最大限発揮してもらって、事の真相を洗いざらい明白にしてほしいと思う。

文部科学大臣は、6月中に、調査結果を公表するとしている。
それくらいのスピードでやるべきだろう。次の場所が迫っているのだから。

7月場所の開催の当否が議論されているが、個人的な意見としては、開催を見送る必要まではないと思う。
相撲を楽しみにしているファンはいるのだから。 また、ビジネスとしても、例えば、弁当を納入している業者を始め、関係取引先も含めると、ダメージが大きすぎるだろう。協会の自業自得だから、とだけは言えない影響があるはずだ。

その代わり、今月中に明らかになる、関与した者全員について、速やかに協会としての処分を決めるべきだ。

既に木瀬部屋が消滅したが、第二、第三の部屋が消滅してもやむを得ないと思う。
今回の問題はそれくらいのことなのだと、親方衆、力士に認識してほしい。

そして、現役力士で賭博に手を染めた者については、賭けた金の大小、そして暴力団とのつながりの2点から、個々の「罪状」の軽重をしっかりと決めてもらいたい。
その軽重に対応した内容での処分が必要だ。
解雇される者が出てもやむを得ない。大麻事件では実際に解雇者を出したのだから。

また、解雇相当でないならば、場所単位(日単位でなく)での出場停止を課し、落ちた番付からのやり直しをさせるのが妥当だと思う。
大関候補とされる若手が、数場所休場して三段目に落ちたとしても仕方がない。
解雇までには当たらないのであれば、力士生命がつながったことを幸いと思い、そこから出直して、また三役に戻ることでみそぎとさせてよいと思う。

7月場所を閉めることはないと思うが、それくらい、内外にインパクトがある形でけじめをつけるべきだ。

とりあえずは、外部委員と警察の速やかな動きに期待したい。