naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

9月場所3日目

東京場所では、シルクハットをかぶって毎日向正面に陣取り、日の丸の扇子をふりまわしている男性がいる。オリンピックおじさんとしても著名な人だ。確か山田さんとおっしゃると思う。
その山田さん、初日、2日目と姿を見かけず心配していたが、3日目にして初出勤。珍しく白いスーツを着ておられた。
同じく、東京場所で、毎日ではないが、西の土俵だまりに、いつも黄色いドテラを着て座る白髪の男性もいる。この方も、今日が初出勤だった。

正面解説は元貴ノ浪音羽山親方。つい先日、心臓疾患で生死の境をさまよったと聞いているが、放送席に座れるまでに快復されたのか、と驚きつつ喜ばしかった。

豊真将が初日から3連勝。
前さばきのうまい栃乃花を攻めるのはやさしくないと思って見ていたが、やはり今場所の豊真将は攻める力がついてきた。
おっつけて出て攻めきった。最後の左差し手のつきつけ方、腰の落とし方、みごとだった。

高見盛琴奨菊に、立ち合い右を差していい形を作ったのだが、その後まきかえてもろ差しをねらったのが悪く、琴奨菊の逆襲を許した。

楽しみな安馬垣添の一番は、いい突き合いになったが、安馬が制した。
突き押しが本職の垣添よりも、突きの威力は安馬の方が上か。腕力において安馬の方が勝ると思う。

露鵬が力強い相撲で岩木山を圧倒。重い相手にもかかわらず、一気に押した。
先場所の暴力事件があったことで、何か反省の決意のようなものを感じる。

旭天鵬は、先場所つかまって負けた把瑠都相手に、密着せずに攻めようとしたようだが、把瑠都旭天鵬以上に懐が深い。
寄って行ったところを左から投げられてしまった。
悔しそうな表情を見せていたが、やはり把瑠都、底知れないものがある。

稀勢の里がいい当たりから左おっつけで一気に出て、琴光喜に何もさせなかった。
目のさめるような相撲。
稀勢の里は、こういう相撲がとれるのなら、下手な組み方をする四つ相撲よりもずっといいかもしれない。

黒海も目のさめるような相撲で、千代大海に突き勝った。
立ち合いは、千代大海も当たってはいるが、それ以上に黒海が低く頭から当たったのがきいた。
千代大海が例によって少し引きにいったのも悪かったが、重い突きの威力は見事だった。

白鵬玉乃島に勝って2勝目。
しかし、内容的にはまったくいいところなし。
攻めがいいとか悪いとか、流れがいいとか悪いとか、そういう以前の話で、まったく自分のペースで動けていない。どういう相撲をとろうとしているのかが、全然わからない。
玉乃島に攻めこまれ、最後は苦しまぎれの突き落とし。はずみで勝ったようなものだ。
先場所とは比較にならないくらい悪い。固くなっているということなのか。

栃東は、今日はよく動いた。膝の状態が悪い中、必死の相撲をとった。
むしろ、雅山を終始攻め、押し込む場面さえあったが、いかんせん上体が起き気味だった。
頭を下げられれば、これだけ攻めているのだから、食いつくチャンスもあっただろうが、最後は雅山のはたきを食ってしまった。
栃東としては、致し方ない一番。状態からすれば、よくやったと思う。
一方の雅山は、まだ本調子ではないが、突きが出たのはよかった。

琴欧州が3連勝。
玉春日のかっぱじきにのめり、以後ばたばたした動きとなってしまった。
しかし、相手をよく見ていたので、相手の後ろにまわる形でつかまえることができた。こうなれば勝負あり。
見た目ほど危ない相撲ではなかった。これだけ動けるということは、ケガの快復度合いはいいのだろう。
ただ、いつも言うことだが、この人には、もっとがっちり相手を抱き込むようにつかまえてしまうような相撲をとってもらいたい。あまり無理に前に出ようとすることはないと思う。

魁皇は、今日は出島に左を差し勝ったので、余裕を持ってとれたと思う。
右からの投げはやや強引だったが、音羽山親方が言っていたように、右上手がとれたことで、投げたかったのだろう。
決して魁皇としてベストの相撲ではないが、初日が出てともかくよかったというところ。

朝青龍は、安美錦を圧倒。スピード、攻めの厳しさが光る。
先場所よりもいい内容だ。
吉田アナが言っていたが、白鵬雅山が苦労しながら勝っているのに比べ、横綱は違うと確かに思う。