３月場所４日目

栃煌山が若の里に、右四つ左おっつけのいい攻め。これで３勝１敗。新入幕、上々だ。

初日から３連勝の鶴竜が春日錦に快勝、平幕で唯一全勝を守った。
動きがいい。相手がよく見えている。

露鵬は立ち合いすばやく左前まわし、いい場所を浅くとって引きつけて寄った。
しかし高見盛も右四つだけにねばれる。左をまきかえながら体を入れかえた。いつもながら、背筋の強さを感じさせた相撲。

安美錦が、この人らしい相撲で垣添を破って初日。

普天王も、この人らしい相撲で玉春日を破って初日。

豊馬将は、豪風の低い攻めをしのいで、体を開いた。豊馬将にしては必ずしもいい相撲ではなかったが、ともかくも２勝２敗の五分に戻した。

雅山は、春日王にいい押しが出た。

時天空は、最近進境を見せている突っ張りで攻めたが、朝赤龍に中に入られてしまった。

琴欧洲と旭天鵬は、旭天鵬が立ち合い左に動いて上手を先にとり、すかさず投げで崩しての寄り。
琴欧洲は、得意の右四つでありながら、まったく相手ペースの相撲で何もできなかった。情けない。

白鵬は、安馬に落ち着いた相撲。終始余裕はあったと見るが、欲を言えばもう少し早く勝負を決めてほしかった。

千代大海は稀勢の里に立ち合い変化。稀勢の里はつけいって押し込んだが攻めきれず、千代大海の反撃の突きに下がった。
相撲内容としては稀勢の里の方がよかったのだが、よくよくあいくちが悪い。
これで対戦成績は千代大海の７戦７勝。現在の相撲界の七不思議と言っていいだろう。

３戦全勝同士、栃東と琴光喜は、みごたえある攻防となったが、栃東が最高の相撲をとった。
低いおっつけからの攻めで、琴光喜にまわしを与えなかった。これまで分が悪い琴光喜にいい内容で勝ったことは価値がある。
今後重ねてのケガがなければ、カド番脱出は間違いない。

今場所、期待を裏切っている魁皇と琴奨菊の対戦は、相四つだけに立ち合いすぐ左四つに渡り合ったが、互いに上手がとれない。
魁皇としては、好調であればここから右からおっつけながら出るところだが、それができない。
琴奨菊の方が体勢が低く、先に上手をとって寄ると、魁皇に残す腰がなかった。
魁皇はこれで３連敗。相撲内容がちょっと深刻だ。

期待の結び、朝青龍と豊ノ島は、朝青龍の気力を感じた一番。
昨日と同様、朝青龍は立ち合いに右前まわしをすばやくとったが、そこからの攻防で、豊ノ島にもろ差しを許してしまった。しかし横綱はかまわず左右からきめて出て決めた。
何が何でもという必死さが感じられた。豊ノ島はもっと深く差せれば勝機はあったと思うが、朝青龍はそれをさせなかった。横綱の気力がまさったというところだ。
まさかの連敗スタートも、これで五分。昨日の相撲はよかったが、今日の相撲を見ると、今場所のこの先、まだまだ楽観はできないと思う。