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67歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

クァルテット・エクセルシオ ベートーヴェン・サイクルⅡ

9日(木)、サントリーホールのブルーローズで行われた、クァルテット・エクセルシオベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会の第2回に行ってきた。

この時期に行われている、「チェンバーミュージック・ガーデン」の一環である。

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この演奏会のことは、前から知っていたが、チケットは買い求めずにいた。

前日の夜、手帳で日程を確認。このところ仕事が忙しいので、心身とも少々しんどくはあったが、メインに組まれている13番をどうしても聴きたいので、仕事を切り上げてサントリーホールに向かった。

当日券を購入。Lb6列の8番。入場してみると、入口の正面、長方形の長辺にあたる中央にステージがあり、これを木の椅子が取り囲む形になっていた。

既に正面側の席は残っておらず、左斜めサイドでできるだけ中央寄りの席にした。

クァルテット・エクセルシオ ベートーヴェン・サイクルⅡ

日 時 2016年6月9日(木) 18:20開場 19:00開演
会 場 サントリーホール ブルーローズ
演 奏 クァルテット・エクセルシオ
曲 目 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第5番イ長調
     ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番変ホ長調「ハープ」
     ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第13番変ロ長調
     ベートーヴェン 大フーガ変ロ長調

プログラム冊子から。

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今回の全曲演奏会は、以下の組み合わせとなっている。

   第1回 2番、11番セリオーソ、6番、12番
   第2回 5番、10番ハープ、13番、大フーガ
   第3回 4番、7番ラズモフスキー1、16番
   第4回 1番、9番ラズモフスキー3、14番
   第5回 3番、8番ラズモフスキー2、15番

この中から1つ選ぶとすると、やはり今回の第2回になる。

高校の時にクラシック音楽を聴き始めて、レコードを買い集めるようになって、最初は、交響曲管弦楽曲、協奏曲ばかり聴いていた。

室内楽曲に目を向けるようになったのが、1976年、大学3年生の時だった。

ベートーヴェンの四重奏については、最初に買ったレコードが、ズスケ・カルテット・ベルリンの「ハープ」と「セリオーソ」だった。

その後、ほどなく、スメタナ四重奏団の後期を、13番、15番の順に買った。その後、間が空いて、会社に入ってから、14番、12番・16番を揃えている。

ベートーヴェンの後期の中では、私は13番、14番、15番の3曲が、本当に甲乙つけがたい大傑作だと思っている。この内、さらに1曲選ぶならどれか、と言うのは大変難しく、やはり14番と思う時期もあれば、いや、15番だろう、と思う時期もあり、長い間に変遷があった。

今だと、13番が鼻差抜けているかな、というところだ。その13番を実演で聴ける機会ということで、ちょっと無理をして出かけた次第。

演奏者が上手側から登場。初めて聴くこの四重奏団、女性3人、男性1人の編成だが、女性が全員ブルー系のドレスで、一瞬、「制服?」と思ってしまったが、よく見ると、一人一人微妙に異なるデザインだった。

座り方が珍しかった。下手側から、ファースト、ヴィオラ、チェロ、セカンド。対向配置は珍しくないが、ヴィオラが下手側というのは、初めて見る。

最初は、5番。

作品18の6曲は、16曲の四重奏曲の分類上の便宜として、「初期」と呼ばれるが、聴いていて、その言葉はそぐわないな、と思った。

確かに、プログラム冊子に載っている作品表を見ると、若い頃の作品ではあるが、ハイドンモーツァルトの四重奏曲とは異なる世界、ベートーヴェンの個性は、既に確立されている。

味わいも深さも充分にある音楽だと思いながら聴いた。

ところで、ステージが余り高くないことと、客席もまったくの平面上に並べられた椅子なので、前の客席に座っている人が大柄なこともあって、奏者があまりよく見えない。

私の座った列は、私から上手側の全部の席が空席だったので、5番が終わったところで、一つ左の席に移った。今度は、一応さえぎるものなく見ることができるようになったのだが、ヴィオラが見えない。

当日券を買う時、通常配置であれ対向配置であれ、ヴィオラは上手側から2人目、と踏んでLbブロックから選んだのが裏目だった。ちょうどファーストの人とヴィオラの人を真横から見るような形になり、ヴィオラの人はファーストの人に隠れてしまって、右手も左手も動きが見えない。これは残念であった。

2曲目の「ハープ」は、2月にミケランジェロ弦楽四重奏団の演奏会でも聴いている。王子ホールだった。

この曲は、前記の分類で言えば「中期」にあたる。私には、中期の中だったら、一般に人気の高い「ラズモフスキー」の3曲よりは、「ハープ」と「セリオーソ」の方が、ずっと好きだ。

聴いていて、「こういう音楽を書きたいから書いた」ではなくて、「こうしか書けない」という音楽だ、と強く感じた。

20分の休憩。

ホワイエに出たら、浦安ヴァイオリンのMちゃん、マウントあさまのヴァイオリンのKさんとばったり。

2人は、ここ1年くらいかけて「ハープ」に取り組んでいるのだそうだ。王子ホールでのミケランジェロ弦楽四重奏団の演奏会の話をしたら、その時にも2人で聴きに行ったとのこと。一緒にいたんだ。

休憩が終わり、後半の開始は20時半を既に過ぎていた。王子ホールの時も思ったが、弦楽四重奏の演奏会は、長い。オケの演奏会だと、通常は、序曲などの短い前プロ、少し短めのシンフォニーなどの中プロ、そしてメインで構成されるが、弦楽四重奏曲を3曲並べると、どうしてもそれよりは長くなる。

今から、13番か。帰りは遅くなるな、と思った。でもまあ、この曲を聴きたかったんだから、と気を取り直す。

それはさておき、13番を実演で聴けて、本当によかった。

聴いていて、この13番は、草書の音楽だな、と思った。誠に自在。

ヴィオラがとてもいい音だった。

全6楽章の中では、カヴァティーナだけが違う、と思った。ここは、草書でさっとひと刷毛、という音楽ではない。中身の詰まった、奥行きのある音楽だ。

このカヴァティーナ、クァルテット・エクセルシオの演奏は、腹にこたえる音楽ではなく、やや軽めに作った感じだった。重心を高くした感じだった。

その後のフィナーレは、もっと速いテンポで軽い方がいいように思った。長いこの作品を、じっくり締めたという感じだった。

さて、13番が終わったところで、21:20。この後、まだ、大フーガがあるんだ。なげえ・・・。

大フーガ、アンコールでなく、本編プログラムだもんね。やっぱりオケの演奏会よりはずっと長いな。

しかし、大フーガも、実演で聴けてよかった!

すごい曲だなあ。・・・としか言えない。

この巨大な音楽が、どういう音楽なのか、まだまだわかったとはとても言えない。

4人の奏者が、持てる力を全開しての力演だったと思う。

ただ、こちらが作品を充分知っていないから何とも言えないのだが、終始、4人が求心的に音楽を作っている場面だけではなかったようにも思えた。

大フーガ、実演を聴く機会を、また重ねていきたい。

終演は21:40。さすがにアンコールはなかった。

※過去の関連記事
    ミケランジェロ弦楽四重奏団ベートーヴェン全曲演奏会Vol.5
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/65203427.html